この作品は、一言で言えば、なろう系異世界悪役令嬢ものといったところか。主人公は、ユリアス・ノッガーという伯爵令嬢。キュリオン侯爵家の長男のラモールだ婚約者だったが、ある日突然婚約を破棄される。もっとも、ユリアスの方は、「こいつアホだ」と思っただけで、まったく堪えていない。元々ラモールに対する愛はなく、侯爵家のネームバリューでビジネスを広げられると思ったので、婚約を受け入れたのである。要するに侯爵というネームバリューを利用する気満々。実はユリアスは、お金儲け大好きなのだ。そしてキュリオン侯爵家のことは、ノッガー家のお金をあてにしている、典型的な頭の悪い没落貴族だと思っている。
どうも、ラモールはバナッシュ伯爵の隠し子ジュリー・バナッシュと結婚するつもりらしい。もちろん、そうなると、ノッガー家からキュリオン家への支度金は白紙に戻る。まったくそのことを考えていないのが、ラモールのアホのアホたる所以。
この1巻では慰謝料の話は出てこなかったが、あのラモールやバナッシュのアホさを考えると、この二人は、どうせろくなことにならないだろう。気になるのは、ヒロインのユリアスがどうなっていくのかというところ。
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