小雨、17度、98%
ワインを飲むとき、グラスを代えると急に美味しくなることがあります。グラスの持つ雰囲気ではなく、あのバルーンのようなグラスの中で、ワインが泳いでふわっと香り立つようです。その上、様々の赤い色の様子が見えるとおいしさも増します。
銀器で有名いなクリストフル。我が家のカトラリーもほとんどはクリストフルで揃えました。銀器以外にも、食器にグラス、アクセサリーも作られています。銀器以外に気になっていたのが、このワイングラスでした。 全部で6色。バル−ン型のワイングラス以外に、色のついたグラスが欲しいと思っているときでした。もうずいぶんと以前のことなので、正確な値段は覚えていません。でも一遍に6客買うには、当時の我が家には、負担が大きすぎました。もちろんシルバ−だって、何年もかけて揃えたのです。そこで、お店のお姉さんに、毎月一つずつ買いにくるから、とって置いてくれるように頼みました。
お店をずっと見ていると、時々6色揃っていないことがあります。人気なのが、赤に濃いブルーです。それで取り置きを頼んだのです。つまり半年かけて一客ずつ買いました。全部揃ったときの嬉しかったこと。
ところが、全部揃って2年以内に、なんと、2つに小さな欠けが見つかりました。大事に扱っていたつもりです。ワイングラスだけをしまう棚に、デカンタなどと一緒に納まっています。洗うときも、別扱い。それでも、傷めてしまうことがあります。金継ぎも考えました。口に持って行くものですし、金継ぎをしても、グラスを合わせたときのいい音は戻ってきません。
考えて考えて、欠けた2客を買い直すことに決定しました。どの色だったでしょう?忘れちゃいましたが、初めに求めた時より、また値段が上がっていました。今度は、一度に2客求めました。その痛い思い出が有るので、仕舞っておくときも、お互いが触れ合わないように細心の注意を払っています。
家人は、そのこと以来、このグラスを使う機会を減らしたように思います。洗うのも、仕舞うのも私ですから、気を遣ってくれているのでしょう。バルーンのワイングラスも、確かに色が見えていいのですが、このクリストフルのワイングラス、理屈抜きに、雰囲気で美味しくしてくれます。