晴れ、17度、95%
二日前のことでした。昼間、お天気もよくなり暖かでしたので、家中の窓を開けました。台所で仕事をしていた私のところに、ブ~~ンと一匹のハチがやってきました。昆虫は少し苦手です。できるだけ近寄らないようにして、様子を見ていました。そのうち、羽音も聞こえなくなり、出て行ってくれたとばかり思っていました。窓を閉めて、ソファーで本を読んでいました。ふと、横のスピーカーを見ると、先ほどの蜂がとまっています。スピーカーなんて何の匂いもないのに、くまなく探索している様子です。スピーカーの上の窓を開けたまま、仕事に出かけました。
夕方帰って来ても、まだスピーカーにくっ付いています。散歩から帰っても動く気配もなくスピーカーに、くっ付いています。まあ、一晩お宿を貸してあげることにしました。昨日起きて来て、ハチのことは忘れていたのですが、掃除の時、急に思い出しました。スピーカーにはいません。心配になって、周りを探してみると、床にまるで今にも飛び出しそうな様子で、死んでいるハチを見つけました。
香港は、観測史上0度を下がったことがないそうです。冬でも蝶が飛んでいます。それでも、寒い日が続くと、道に羽をぼろぼろにした蝶が死んでいるのを見ます。
そっと取り上げた、ハチの亡がら。あまりのきれいさに見とれてしまいました。大きな目に、短い2本の触角、羽の筋までがきれいに見えます。昆虫は、擬死してみせることがありますが、羽は閉じた状態です。一体、どうしてこんな様子で死んで行ったのでしょう。このまま、展翅などしないでも標本箱に入れられそうです。
1センチほどの小さなハチに 昆虫の、美しさを再発見させてもらいました。
ハチの激減があちこちで取りざたされています。植物輪廻を考えると、ハチの持つ役割の大きさを思わずにいられません。もう少し、この亡がらを見ていたいと思います。