チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ピルケース

2013年02月05日 | 身の回りのもの

 ガス、21度、93%

 ピルケース、名前の響きがなんともいい小さな薬入れ。昔の西欧の女性は、薬を持ち歩く時に、ピルケースに薬を忍ばせておいたのだそうです。なんだか、か弱そうな女性のイメージです。私は、特別持病もありません。薬を持ち歩くとしたら、旅行の時ぐらいです。しかも、最近では、小さなジッパー付きのビニール袋に入れて持って行きます。

 タンスの小箱の中にあった3つのピルケース。どれも古い物です。赤いモザイクのピルケース以外の2つは、お土産で頂いたもの、どなたからのお土産だったかすら忘れてしまっています。どのピルケースも、若い頃には私のバックに入っていました。ついつい、軽便なものに手が伸びてしまう昨今です。

 赤いモザイクのイタリアのピルケース、これは私が3つの頃からの持ち物です。しかも、ちょっと曰く付き。3つですから、私の記憶にはありませんが、繰り返し繰り返し母が言い聞かせるので、さも、覚えているかのように記憶にあります。

 昭和30年代の半ば、福岡には3軒ほどのデパートがありました。その頃、我が家が贔屓にしていたのが、今はもうない中洲の川端にたっていた玉屋でした。小さい私を連れて、玉屋の宝飾売り場に行った母は、モザイクのピルケースを出して見せてもらい、グリーンの楕円のものを求めて家に帰ったそうです。夜になって、私を着替えさせるとき、私のワンピースのポケットから出て来たのが、 このピルケースだったそうです。そこで翌日、母はまた私を連れて、玉屋へ出向き事情を話して、このピルケースを買ったということです。それ以来、私のタンスにいつもありました。そして、母は取り出しては、このいきさつを話します。

 子供心にも、ピルケースなんてもうたくさん、と思っていたに違いありません。ピルケースを買いたいなど思ったことがありませんでした。

 けど、こうして見ているとわかります。3つの頃、この赤いモザイクがとてもきれいに見えたのでしょうね。頂いた方には申し訳ありませんが、この3つのピルケースの中で一番好きなのは、やはり、赤いモザイクのものです。

 少し、蓋がゆるくなっています。久しぶりに薬を入れてみました。

コメント (2)
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