曇り、16度、88%
食パンを焼こうと、冷蔵庫を覗いたら無塩のバターが見当たりません。いつも、買い置きしているのですが。あるのは、有塩のエシレバターだけです。
エシレバターが香港にはいって来たのは、10年ほど前でした。日本より遅かったように思います。当時、日系のスパーでは、カルピスの箱入りバターも売られていて、値段は、このカルピスバターの方がずっと高かったように記憶しています。あまり高くて売れなかったのか、今ではカルピスバターは香港から姿を消しました。バターもお国柄があって、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アメリカ、フランスとそれぞれに塩加減、こく、香りが違います。家人は、カルピスバターが好きでしたが、今ではパンに塗るのはこのエシレにしています。エシレバター、乳臭いと言えば悪く聞こえますが、スッキリと軽いバターではありません。日本より若干お安く、香港では手に入ります。
パンやお菓子には、基本的には無塩のバターですが、有塩に置き換えることだって出来ます。香港20年以上前の地元ののパン屋さんやお菓子屋さん、バタークリームを有塩のマーガリンで作っていました。そのちょっぴり塩味のバタークリーム、懐かしい美味しさでした。今は、もうあんな味のクリームを作っているところなんてありません。
この有塩のエシレバターで、プルマンローフを焼いてみました。もちろん生地に加えるお塩は減らして。今日の粉は、 カナダ産の最強力粉、アメリカのキングアーサーの無漂白の普通の強力粉です。一年ほど前から、イーストを少なく、発酵温度も押さえて、長く発酵させることで、少しでも、粉の香りやうまみを引き出そうと試みています。なかなか難しく、つい、小麦粉が悪いと思ってしまいます。
焼成中、エシレバターの重めの香りが一杯で、あれ、小麦粉の香りがしませんね。でも、こうして冷ましている間に、バターの香りはずっと少なくなって、小麦粉の香ばしさが出てきました。
キングアーサーの小麦粉が、無漂白なので 真っ白ではありません。エシレバターのこくのある味わいのパンに焼き上がりました。
ちっとも、真四角に焼けなかったプルマンローフ。パンを焼き始めて30年が過ぎました。自分なりに工夫はしているのですが、まだまだですね。
でも、喜んで食べてくれる人(?)がいるので、きっと、焼き続けると思います。