小雨、16度、90%
薫製された食べ物は、普通の加熱と違ってあの独特な燻しの匂いのおまけ付きです。その香りの好き嫌いはあるでしょうが、長期保存も考えるとしゃれた調理法だと思っています。何かの本に手軽な薫製の方法が出ていました。30年ほど前の話です。以来、自分なりにやり方を変えてきましたが、未だにお手軽薫製です。
チキンレッグ、マナガツオ、ゆで卵、チーズ、そして、牡蠣。全て、基本は下味を付けたものを、煙で色付けしながら加熱します。私は、特別な薫製機は持ちません。特別なチップなどは使いません。本来、牡蠣だけは冷薫といって、高い温度で燻して作るものではないそうです。小さくて、水分を一杯含んでいる牡蠣です。ふっくらと、うまみを逃がさないように作るには、確かに高温は禁物。しかも、牡蠣だけは、下準備に二手間手がかかります。下茹でと風干しです。風干しは、牡蠣のみならず、余分な水分を飛ばし、ギュウッと美味しさをという時には、魚肉などでは使う手です。
でもね、そんなに手間をかけずに、しかも牡蠣のお鍋の時に取り分けておいた牡蠣を、さっと高温で薫製にします。香港地元の牡蠣、アメリカの牡蠣、日本の冷凍の牡蠣が手に入ります。私が使うのは、広島の2Lの冷凍の牡蠣です。解凍したものを、塩、少しの砂糖、白ワインで下味を付けます。使うチップは、お茶の葉です。紅茶、ウーロン茶、緑茶はお勧めしません。この茶っ葉に、砂糖、お米を少し混ぜます。作る鍋は中華鍋か蒸し器。煙が出ますので、鍋類は、使用後べったりと汚れます。すぐに落ちますが、アルミフォイルで鍋の中を覆うと、後始末が便利です。
下味の最後に、オリーブオイルをまぶした牡蠣を高温の促成燻し窯で燻します。煙が出始めたら、8分ほどで火を止めます。そのまま、冷めるまでおきます。
薫製の牡蠣はよくオイル漬けで保存しますが、我が家その日のうちに食べてしまいます。 もちろん手間をかけたものは、美味しいでしょうが、こんなに手抜きでも牡蠣はふっくらとしています。
家の台所で作りますから、換気扇は、真っ黒になります。これもすぐに拭けば、簡単に落ちますが、曲者は匂いです。薫製を作った2日後まで、我が家のフロアーでエレベーターのドアが開くとふっと鼻につきます。ご近所迷惑も顧みず、薫製を作ります。