曇り、16度、83%
旅先で、必ず立ち寄るのが地元の市場と家庭用品を売る店です。特別お目当てのものなどありません。市場で食品を見ると、その土地その土地の食生活がわかります。そして、家庭用品屋で鍋などを見ると、あの食材であの料理を作るのね、と納得するのです。料理によって使われる鍋は、違ってきます。
最近よく見かけるルクル-ゼのホーロー鍋、もともとフランスのものです。どっしりと重い鉄鍋に、きれいなエナメル加工が施されています。この、DOUFEU 鍋もルクル-ゼのものです。エナメル加工されていませんが、重い鉄鍋です。
蓋の上部は、凹みがあります。裏返すと、 突起が付いています。この凹みの部分に、冷たい水や氷を入れて、煮込むと、冷やされた蒸気が鍋に戻って、少ない水分で煮込み料理が出来ます。少ない水分で煮込むことは、それだけ、うまみが凝集されます。堅い肉や豆などを、遠火のストーブでコトコトと煮込んでいた頃からのヨーロッパの知恵の鍋とでも言いたくなる代物です。
今日は、シチューを作ります。予め焦げ目を付けた肉や野菜に、赤ワインをドボドボと、嵩の半分まで入れて、 我が家のハーブで作ったブーケガルニをのせて煮込みます。
小さな火で充分です。煮込み料理は、火にかけさえすれば、本を読んでいても掃除をしていても、後は鍋任せで料理が出来ます。
このDOUFEU鍋は、ここ香港で15年ほど前に求めました。赤いエナメルのとこのマットな黒のDOUFEU鍋が2つ並んでいました。あまりに私が、この鍋を褒めるので、やはり鍋好きの友人がもう一つの赤を買いました。それ以来香港では、DOUFEU鍋を見かけません。香港も日本同様、ルクル-ゼの鍋は人気があります。一番売れ筋は、浅方の鍋に使えるタイプ。二番目が、中華鍋だそうです。やはり、作る料理によって、鍋の売れ筋も変わります。
ルクル-ゼ、ジャパンでは、DOUFEU鍋を扱っていませんが、並行輸入で取り扱っている店があるそうです。私のような料理下手は、 お鍋に随分助けられています。