曇り、14度、77%
恭喜発財(コンヘイファッチョイ)、旧正月の元旦です。長い休みを、旅行先で過ごす人、中国の親戚を訪ねる人、人も車もめっきりと少なくなります。当然工事現場もお休みです。どこかしら、いつも工事をしているこの街から、音さえも少なくなります。お金のない人は、こうして香港に残るわけですが、残っている身の方が、いつも味わえない香港の静けさを感じていられます。そして、例年通り、寒さも戻ってきました。
このまま、春になってしまいそうな陽気でした。寒さを待つなんておかしいのですが、私、待ってたのです。クロワッサンを焼くために。
20度を超すようになると、どんなに、クーラーを入れて部屋を涼しくしても、クロワッサンの生地を作るとき、バターがゆるくなります。何度も何度も、冷凍庫に入れる作業を繰り返します。作り手が下手なこともお見通し。バターに、クーラーなどでは騙されないぞ、と言われているかのようです。
クロワッサンほどいろんな作り方があるパンも少ないように思います。粉だって、ケーキ用でいいという方もいらっしゃいます。 今回は、フランスパン用の強力粉で。いい加減なもので、早く使い切りたい粉から使っています。粉も、時間が経つと美味しくありません。前の晩から生地を仕込みます。冷蔵庫で寝かせた生地は、腰が抜けるというのか、扱いやすくなっています。中に包むバターと生地が同じ硬さに、などと言われますが、このポイントを掴むのは、難しい。
パンを作る作業自体は、そんなに大変だとは思わないのですが、イーストや酵母という生き物が相手ですので、機嫌や具合を伺いながら作るわけです。プロではありませんので、いつもうまくいくわけではありません。失敗しても、もったいないと思い食べるのは、私とモモさんと鳥たちです。
いつもの小振りのクロワッサン。 旧正月前日、大晦日の我が家は、バターの香りで満たされました。焼きたても美味しいのですが、ちょっと置いてかじると、甘みがするように思います。