曇り、16度、85%
最近のデジカメは本当に優れています、白黒だって、セピアだって撮れますし、一色だけ残してあとは白黒なんていう技までお持ちです。しかも、パソコンに取り込めばいろいろ手を加えることまで出来ます。父が、暗室にこもって現像していた頃とは比較にならないきれいな画像です。
ここにある写真、全て本物の白黒写真。フィルムカメラで、40年以上前に撮ったものです。考えてみると、私の好きな写真家は、皆、白黒時代の人たちばかりです。ブラッサイ、高田美、ドアノーにマンレイ。でも、ここにある写真を撮ったのは、14歳の私です。
見出しの写真は、エッフェル塔。最近の写真と見比べても、パリは建物の高さ規制が厳しいので、今も、エッフェル塔の背景はスッキリとした空です。
ものを写し取るという行為は、白黒もカラーも同じです。ところが白黒の写真は、なんといっても、光をどう取り込むかがポイントのような気がします。
40年近く前の自分がっ撮った写真を見つけたのは、ひと月前のことです。たった、30枚ほどしかありません。海外旅行の写真だというのに、自分を含めて人が一人も写っていません。実は未だに、旅行先で風景に人(旅行をしている自分たちのこと)を入れるのが好きではありません。その景色だけを切り取っておきたいというのか、おまけに、その人物がピースでもしたらガックリです。
写真屋の娘で、フィルムは大事と言い聞かされていました。今では、メモリーですからね、たくさん写真をとっても、たくさん捨てることも簡単です。
14歳の私が撮った写真を見て、55歳の私は思いました。好きなアングルというか、好きな構図が、ちっとも変わっていないのです。成長しなかったのか、好きなものって、そんなに変わるものではないのか、自分の中の40年を見る思いです。白黒写真は、落ち着きますね。