チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

国境を渡る

2015年04月05日 | 香港

晴れ、23度、94%

 香港、先週の金曜日からイースターの休暇に入りました。明日は清明節、4日続けてのお休みです。金曜日の夜、主人の深圳の会社の内輪の集まりがありました。久しぶりに私にもおいでと言ってくださいます。そういえば、モモさんが我が家にやって来るまでは週一回は深圳に行っていました。いえ、至る所に泊まりがけで出かけていました。ところがこの10年以上、モモさんをいくらお手伝いさんに見てもらっていようとも、出来るだけ家に戻って来たい私です。深圳などは夜遅くとも戻って来れる範囲です。本当に泊まりがけで出かける深圳は久しぶり。

 香港は中国です。でも、中国ではありません。香港、中国の行き来には、パスポートが必要です。香港自体、国内線はありません。飛行機に乗ることは全て海外旅行です。香港の北、新界に行きその北の深圳を眺めても、何にも見えなかったのは20年ほど前までのことです。今や国境近くに行かなくても、深圳のビル群が香港側から見られます。高さももちろん高いうえに、その数も日に日に増えているような気配です。

 深圳に入るには家を出てから、一時間半ほどで国境に達します。車、バスの乗り継ぎです。以前は電車とフェリー 、一部の車輛の出入りしか出来なかったのですが中国側の道路整備、道路拡張に伴い、大型バスは頻繁に行き来しています。一般車輛もダブルスッカーを付けて相互に乗り入れ可能です。

 昔は深圳に一歩足を踏み入れると、そののんびりとした田舎ぽっさ、ゆっくりした時間の流れがホッとさせてくれました。深圳駅の周りに物貰いの子供たちがいたその昔、駅の周辺に行くのはとても辛かった覚えがあります。それでも、少し車を走らせればそれこそライチの山です。道なんて舗装もされてなく凸凹。数少なかったホテルだって、コーヒーは美味しくないうえに、五つ星だってどことなくカビ臭く感じたものです。今や、ライチの山は切り開かれて、高速道路です。高速電車で北京まで行くことも出来ます。高速道路は蜘蛛の巣のように日に日に大きくなり、その上を走る車もドイツ車や日本車です。

 道路の上ばかりではありません。地下鉄だって走っています。地下鉄の工事も止む所を知りません。つまり、郊外に郊外に延びて行く地下鉄、同じように郊外に住宅用のビルが立ち続けています。その様子を見れば、中国の計り知れない力を感じます。最近は購買力も落ちて来た、中国もバブルがとか言われますが、いえ、人の数の持つ力は、なにものにも代え難いとひしと身にしみる国の力です。日本人のように起用でないかもしれません。日本人のように見た目はよくないかもしれません。そんなことより実質の力を感じる中国です。

 中国の国境を越えると、いつも感じることがあります。たった国境を越えただけ、一本の線を超えただけなのに、空気がガラッと変わります。においが違います。肌に当たる日差しが違って感じられます。迎えてくれたの、 黄色風鈴木、キバナノウゼン。

 空気は乾燥して、日差しはチクチク感じるのですが、今回は、一つ何かが違うと感じます。今まで、車に乗っていても眩しく感じた町並みが、しっとりと落ち着いて見えます。そうなんです。街路樹が、グングン成長して歩道に心地よい木陰を作ってくれています。まだ植えたばかりだった木々は、華南の暖かな気候で生長し、眩しいほどの人工的な町並みは優しい風が流れていました。

 香港に居ても、この地に長く住んだものだと感じますが、それ以上に、深圳の発展ぶりを目の当たりにすると、つくづく、時間の長さを感じない訳にはいきません。主人の深圳の事務所が新しい所に移転していました。何やら会議の間中、手持ち無沙汰な私は、ぼんやり窓の外を眺めます。 そろそろ日没。深圳湾越しに見える、ビル群は香港の北、新界のマンション群です。

 毎日のようにこの深圳と香港を行き来している主人です。話を聞いてもやはり自分の目で見るのとは違います。しばらくぶりに入った深圳、滞在時間は短かったのですが、私の中で少し変化が起こり始めました。また、明日にでも話の続きをします。

コメント (2)
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