チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ミントの後ろ姿

2015年04月11日 | 日々のこと

雨、17度、97%

 冬でも気温が10度を下らない香港です。柔らかい葉を持つハーブは、秋撒きをします。セルフィーユやイタリアンパセリなどです。夏場は高温多湿、その上我が家のコンクリートの小さな出窓は、嫌が上でもかなりの温度を夜間まで保ちます。半日陰を好む植物は、6月頃から段々元気を失います。冬場気温が下がらないということは、一年中、ハーブを育てることが出来る環境です。それでも、夏のハーブと私が思うシソやバジルは、遅くても秋口の花が付く頃には、根こそぎ収穫します。花が付けば、葉っぱの香りは俄然落ちます。一年草は温かくとも冬を越しません。急に、空間が出来る我が家の秋の出窓です。

 すると、暑さに弱く夏場はバジルの陰で、小さくなっていたミントが急に大きくなり始めます。宿根のミントはランナーを延ばしながら、空きのできた空間をズンズン占領し始めます。その勢いの凄いこと。お日様に向かって、笑いながら、自分の生活空間を拡張して行くのです。冬場は、セルフィーユなどの葉の形が面白いハーブを鉢一つ分ずつしか育てませんので、ミントは勢力範囲を広げることを止めません。

 出窓の両脇にはオリーブの木とローレルの木を置いています。ふたつの木も冬場は古い緑の葉っぱを付けています。食卓に座って、出窓を見ると、木々の葉っぱより圧倒的に目に飛び込んで来るのがミントの若々しい緑です。とはいっても、皆さん、お日様の方を向きニコニコしていますから、 私たちがきれいだわと眺めているのは、ミントの後ろ姿です。後ろ姿でもなんともいい風情のミントたち。冬にこんな緑を楽しませてくれるなんて、幸せだなと優しく撫でてあげると、これまた、爽やかな香りをふんわり。冬の間、鳥たちにエサを上げる時の私のお決まりです。

 この冬は、殊の外暖かく3月下旬には夏物の種を蒔きました。まずは、初めて種を蒔いたピーマン、続いて、バジルにルッコラ、紫蘇。あっという間に芽が吹いて、本葉の小さな形が分かるようになりました。するといつも頭を悩ますのが、狭い出窓の空間をどう使ってこれらを育てるかです。場所をたくさん取るのは今年はピーマンにバジルにルッコラ。

 つまり、冬の間緑を楽しませてくれたミントを刈り取る時期が近付いてきました。おそらく今月末か来月初めです。心が痛みます。根こそぎ取る訳ではなく、片隅に残しておきます。暑い間、おとなしくしています。いえ、元気も何もありません、フンニャリと涼しくなるのを待っているようです。

 はさみで切り取ったミントは、ひとしばらく花器に入れて楽しみます。するとひげ根を伸ばしてくれます。やっぱり、ハーブって雑草だなとその生命力に驚かされます。

 7月に入ると、急成長したバジルの後ろ姿が、ミントを見た場所に見ることが出来ます。暑い夏はミントより背の高いバジルが、暑さを遮るように緑の陰をこさえてくれます。

 ミントの葉越しに見る冬の香港のビクトリア湾、バジルの葉越しに見る夏のビルだらけの照り返しの香港、もう何年も何年も繰り返して見てきた景色です。

 

コメント
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