雨、23度、83%
クミンシードといって、馬芹の種を香辛料として使います。 インド料理やエジプト料理には欠かせない香辛料です。私の作るインドのカレーは、インドの北の出身の方レヌアロラさんの本から学びました。ギーという、バターに似た牛の油でこのクミンシードを炒める所から始めます。ギーとクミンの織りなす香りは取りも直さず、カレーの奥の奥にガンとしてある香りです。インドカレーを作り始めて30年、我が家のスパイスケースには、このクミンの常客の席があります。プチンと歯に当たりはじける香りと辛みは、ふっと気持ちを建て直してくれます。
もう随分前のことです、オランダからのお土産でゴーダチーズを頂きました。このゴーダの中にプチプチとクミンシードが入っています。ゴーダの優しい味わいに爽やかなアクセントのこのチーズにすっかり惚れてしまいました。一昨年、オランダにいったおりには、クミンゴーダの塊を持って帰ると意気込むほどです。結局、クミンゴーダの半塊とクミンはちょっとという主人が選んだ普通のゴーダの半塊が、我が家の冷蔵庫に納まりました。
インドでは、野菜の蒸し煮はサフジと呼ばれています。ジャガイモのサフジ、カリフラワーのサフジ、人参のサフジ。温野菜です。このサフジを作る時にも、クミンシードを使います。クミンは香辛料ですが、野菜自身が持つ香りの邪魔をしません。爽やかな香りは甘みを添えてくれるようにすら感じます。先日、訪れたお隣の深圳、5スターホテルの朝食のビュッフェに、温野菜の所にこの人参のサフジがありました。人参のサラダと書かれています。でも、クミンのプツプツは見て取れます。私が2回もお代わりをするのを見て、主人も取ってきました。美味しいね、と言います。
パルメザンチーズを切らした私、急いで家にあるイギリスのチーズをおろしてスパゲッティいに使いました。コーブという柔らかなチーズです。昨日冷蔵庫を覗くと、ラップに包まれたチーズのポロポロがあります。中途半端な量です。そこで、このチーズにクミンを混ぜて、小さなボール状に固めてみました。ゴーダチーズのような歯ごたえはありませんが、なかなか美味しい。
たった4つしか出来ませんでした。 モモさん、それ私のワインのお供なんですけど。
香辛料を一つ好きになる度に、また一つ、料理の楽しみが増えるように思います。