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お正月のおせちにマナガツオを使いました。以前は、年中魚屋さんに並んでいたマナガツオですが近年冬になると姿を見せませんでした。大きいものは全長50センチほどもあります。くせの無いほんのりと甘みのある白身の魚です。香港人にも人気のあるマナガツオ,いい値段で売られています。焼いてよし,煮てよし、我が家では、1匹丸ごと薫製にします。
おせちのために買ったマナガツオは、全長40センチほどでしっかりと身の厚さもあるものでした。1匹買ったのではありません。香港では大きな魚は筒切りにして売ります。日本のように三枚や二枚に下ろして売ってはいません。筒切りの一番大きな一切れを指差して「頂戴。」と魚屋のおじさんに頼みます。おじさんはその一切れと一緒に別に避けてあるマナガツオの頭の先端を測りに載せます。私はマナガツオの頭の先端なんて頼んではいません。30年ほど前に香港に来た当初は,なんでそんなことするのか分かりませんでした。欲しい一切れ以外に頭やシッポが必ず付いて来ます。その理由は,魚屋さんは大きな魚1匹いくらで仕入れます。頭も内蔵もシッポも含んだ重さで買うので,値段を決める時その頭もシッポも入れる訳です。
でも,マナガツオの頭の先っぽなんて食べないし,お金を払う段になって「いらないよ。」と言いました。すると魚屋のおじさん2人がかりで私に言います。「スープにすると美味しいから食べてご覧。」筒切りを三枚に下ろしたときの中骨と一緒によく洗って冷凍庫に放り込みました。
昨日、冷凍庫を覗き込んでいると得体の知れないものがあります。ラップから透かしてマナガツオの目が見えました。あまり気が進みませんが,スープを取ることに。お鍋にあらとしょうが汁、お酒を入れて煮てみました。いい香りはしますが,蓋をとるとやっぱりマナガツオと目が合います。目を合わせないために,すまし汁ではなくお味噌を溶き入れました。お豆腐も入れてみました。
熱々のお味噌汁を一口すすります。いやはや,美味しいのなんのって。あら汁の美味しさは知っていますが,品のいい奥深い旨味が出ています。魚屋のおじさんのお勧めは,まさにその通りでした。香港人、魚のシッポからもいいスープが出ることを知っています。マナガツオのあらがもし手に入ったら,スープを取ってみてください。お勧めです。