小雨,19度、96%
我が家から歩いて5分ほどのところに,小さなインド料理屋があります。何をやっても長続きしなかったその小さな店は、このインド料理屋に変わってもう10年以上続いています。デリバリーとテイクアウト専門の店でしたが、店先に小さなテーブルを置いて料理を食べさせてくれます。キッチンの中にはインド人の小柄なおじさんと大きな若いおじさんがいつもいます。ここのインド料理の味は私達夫婦がホッとするお味です。アレンジされた味ではありません。インドの北の方のカレーです。そして面白いことに,微妙に行く度にお味が違います。
この店の前を日に1,2度通ります。夕方のモモさんの散歩のコースでもあります。前を通ると、大柄な注文を受けてくれるインド人の女性が目ざとく見つけて手を振ってくれます。もちろん私もニッと笑って手を振ります。しばらくご無沙汰していると,なんだか申し訳ない気分になります。
昨晩は久しぶりに主人とふたりで出かけました。
スターターにはヴェジタリアンサモサ、 外の皮が厚そうに見えますが,どうしてサックリと軽い口当たりです。いつもなら飲み物と一緒に薄いパリパリのおせんべいのようなものが出て来るのですが,サモサの後のにキッチンから小さい方のおじさんが自ら持って来てくれたのが、 こちらです。いつものパリパリの上に野菜を散らしてくれています。赤タマネギのほんのりとした甘みがとても美味しい。これは,私達へのおまけです。メニューにも載っていません。
小さなキッチンの中には,ドラム缶のようなものを工夫して作ったタンドール釜があります。そこで作られるタンドール料理もジューシーに仕上がっています。必ず頼むチキンテカ、 タンドールから出され,熱々の鉄板の上にのって出て来ます。
マトンカレーを頼みました。マトンのカレーだけでも8種類あります。もちろん,ビーフとポークのカレーはありません。 手前がマトンマドラス、奥はほうれん草とインドのチーズパンニールが入ったプラオライス、炒飯のようなものです。マトンのカレーは奥深くにギーの優しい香りがしています。プラオライスは所々で口に当たるパンニールがアクセントです。牛を食べない民族ですが,こうして独自のギーというバターやパンニールというチーズを作り上げています。
主人が珍しく、 インドのキングフィッシャービールを頼みました。生憎ワインはインドのものではありません。
こうして私たちが食べている間も,テイクアウトして帰る人、 デリバーの電話もかかって来ます。お勘定をという頃には,西欧人5人がワイン片手にやって来ました。ワインの持ち込みも可能です。
このお店にくる度に,久しぶりにインドに行きたくなります。