雨、10度、95%
本の大きさは紙の大きさに準じて決められているのだと知ったのは、つい最近のことです。紙の大きさには規格があるそうで、それを元に本の大きさは作られていると書かれていました。ところが日本の文庫本に相当する大きさの本はアメリカやイギリスの本にはあまりありません。それもそのはず、日本の文庫本はドイツのレクラム文庫を元に作られたサイズです。高校の頃知った知識です。ということは、国によって紙の規格も違うのでしょう。でも時には規格外のサイズの本も作られています。
規格外の小さな本、新書判の大きさのように見えても実は横幅が若干大きかったり、豆本とはいわないまでも、手のひらサイズだったり。大きさの揃わない本は並べる時に凸凹になりますから、棚の一部にまとめて飾っています。入れているのではなく飾っています。そして小ぶりなせいもあって、掃除の途中などヘタッと本棚の前に座り込み手に取る事が多いのも、この小さな不揃いの本達です。
右上、赤い布の表紙の本は「PARIS」旅行案内の本ですが、実際には役にも立ちそうにないパリの旅案内です。作者カレンエリザベスゴードンの思いつくまま、勝手な旅案内。
その下、地味な手触りの良い紙の表紙の本は、「A DECENT CUP OF TEA」マラチマコーミックというアイルランドの人が書いた本です。アイルランド人もイギリス人に負けず劣らず紅茶好き。紅茶好きな私にとって、大事な指南書ともいえるこの本、中のティーポットの挿絵も素敵です。
一番下は、アメリカのリーベイリーの「SMALL BOUQUET」アメリカの料理を紹介した本を沢山出したリーベイーリー、初期の本はテーブルセッティングも料理もテーブルの花も撮影まで彼の手でなされています。そんな彼の小さなテーブルの花の本です。
そして左上から2番目は、ピエールドゥックスの「FRENCH COUNTRY」フランス田舎屋の写真集です。この中に、私の名前「MANA」と書かれた陶器のビスケットの壷があります。そのブルーの色といいいつかこの壷に出会いたいと思い続けています。
左上は、ルイドベルニエールの「RED DOG 」実際にあったオーストラリアの犬の話です。ルイドベルニエールはニコラスゲージ主演の映画「コレリ大尉のマンドリン」の作者でもあります。
上の真ん中は、アンヌモローリンドバーグの「GIFT FROM THE SEA」。日本でもお馴染みの「海からの贈り物」です。
そして中央、秋山ちえ子の「冬の薔薇」。先頃99歳を迎えた秋山ちえ子の1994年の本です。題名「冬の薔薇」らしい小ぶりな本です。
規格外の本を作るのは大変な仕事だと思います。紙ひとつ、書体ひとつにこだわった本作り。手に取る私には、本の中身と同じ位本を作る人の想いが伝わって来ます。
香港しばらく雨が続きそうです。また床にペタンと座って、小さな本を手にします。