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80歳を過ぎたハーパーリーが50数年ぶりに2冊目の本を出したと知ったのは昨年の秋のことでした。ハーパーリー、「アラバマ物語」(原題;(TO KILL A MOCKINGABIRD)の作者です。アラバマ物語、映画ではグレゴリーペックが主演し、原作はピュリーッツアー賞をとった作品ですが、1960年刊行された「アラバマ物語」の原作も日本語訳もよんだことがありません。映画の「アラバマ物語」ですらリバイバルでテレビで観たような気がする程度です。ただ、80を過ぎた作者がどんな本を書いたのかの興味で手に取った本でした。
主人公のジーンルイスは、「アラバマ物語」のスカウトの20年後の姿です。南部アラバマの生まれ故郷の小さな町に、ニューヨークからジーンが帰って来るところから話は始まります。話はアラバマ物語より20年後の1950年代。ジーンの父弁護士のアティカス(映画ではグレゴリーペックが演じています。)人道主義者。当時のアメリカ南部は黒人の人権が問われていました。尊敬するその父親が、白人至上主義団体の会合に出席していることを知ったジーンが父親に対して懐疑心を持ち故郷を捨てようとする話です。
この本ではアメリカの時代背景、文化的背景、そして私の英語能力なさと相まって私は随分悪戦苦闘して読みました。単に黒人の人権問題だけではなさそうです。もっと根深いアメリカ南部の白人社会の裏側を感じます。
読み終えて、幾つかの書評を読みました。アメリカ本国でもハーパーリーの50年ぶりの本というので期待が高かったようです。ところが案に反して、書評はどれもこれも酷評です。はっきり期待はずれとまで書かれています。書評で知ったことですが、この本はハーパーリーの2作めではなく、処女作で2作目に書いた「アラバマ物語」だけが刊行されたのだそうです。ストーリーも英語の表現も稚拙だと評されています。
「アラバマ物語」は、アメリカの高校の副教材になっているほどの本です。2作の主人公ジーンルイスはやはりハーパーリー自身を写したもののようです。
「GO SET A WATCHMAN」を読みながら、自分の英語力にも限界を感じました。アメリカの黒人問題に興味があるわけではありませんが、「アラバマ物語」の原作を読んでみようと、本屋へ行きました。「TO KILL A MOCKINGBIRD」箱入りの豪華本でとても高く売られています。そこで家に帰り、アマゾンに注文しました。アメリカからの輸送費を含めてもこの豪華本を香港で買うのの半額以下です。 今月の27日に着く予定です。