チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

身体が疲れるほどの怒り

2019年05月13日 | 日々のこと

晴れ、17度、91%

 昨日、この10年のうちで一番怒りを覚えました。大きな声も出しました。物も投げつけました。怒りと悲しみとが身体中にぐるぐると回ります。怒りはなかなか離れてくれませんでした。ひと寝入りすれば収まるかと横になっても神経が立って一向に眠れません。夕方には表面怒りが抜けたかのようでしたが、身体が憔悴するほど疲れていました。

 主人は家に戻ってくると庭の草むしりをします。草が生えていると人が手入れをしていない家に見えるからだそうです。毎日家にいる私も気がつけば、みっともない草は抜きます。それでも草取りをする主人と私とでは雑草の認識が全く違います。どの草が悪さをするのか、花を付けていてもそのうち徒長して見苦し気なる草はどれか。主人は植物の知識が乏しいのかもしれません。この家に長く住んでいるのでもなく、結婚して以来種を蒔き、水やりをして植物を育てる主人の姿を見たこともありません。私にとって雑草とは思えない草を抜いても、「認識の違い」と思って黙って来ました。

 昨日も朝から草を取っています。一緒に庭に出るとついつい口を出したくなるので私は家にいました。しばらくして座敷の外の蹲の石の辺りを見るとすっかり草が無くなっています。透かし灯呂の脇には来月にでも花が咲くだろうと楽しみにしていた植物が植わっていました。昨年の秋、珍しいその球根を送ってもらいました。籾殻に包まれて送られて来た球根は歪で小さなものでした。花姿や日当たりから透かし灯呂の脇に埋めました。寒いうちから小さな芽を出しました。暖かくなると15センチほどに成長しました。「花は来月かな?」毎朝楽しみに様子を見ます。

 15センチほどの茎が5本、全部無くなっています。主人が抜き取った草の山を広げると、中に球根をつけたままの茎が1本出て来ました。茎は男の人の無意識な手で取られていますから数カ所折れてはいますがくっついています。添木を当てて埋めようと元の場所に戻りました。見れば残り4つの球根の姿が土を透かして見えています。この時です、身体中に怒りがこみ上げて来ました。抑えようがありません。

 何が悲しいか、ここまで成長して来た植物の賢明さをむしり取られた思いです。私たちが出来ることは植物の力にほんの少し手を貸してやることです。育てたことのない人の言葉は虚しく聞こえます。

 朝目覚めても、気持ちは落ち着いていますが身体のどこかに澱が残ったような感じです。ココは初めて私が怒る姿を見たと思います。故意で抜いたのではないにしても腹立たしさは募ります。球根が夏を越してくれれば来年花をつけるかもしれません。添木を当てて植え直した苗の一番上には小さな花芽が付いています。30数年前、秋川渓谷でたった一度だけ見た小さな花です。私の思いがあっても今年は花咲くことはないと思います。

 

 

コメント
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