晴、21度、81%
香港の家の真四角な食卓にはローズウッドの椅子4脚を合わせて使っていました。そのうちの1脚は私の帰国の際の最後の荷物に入れました。この家には椅子がいっぱいありますが、ビューローに使うために持ち帰りました。残した3脚のうちの2脚が送られてきました。
この椅子たち4脚共傷だらけです。 釘でも引っかいたような傷。 噛んでこそいませんが引っ掻き傷があまりに多くて擦れたようにも見えます。全て犯人は、 この方です。ちょうどこの椅子の上でお休み中です。
歯固めの頃噛んだ跡ではありません。椅子の座面についた傷は自力で椅子に飛び乗ります。その時マットがずれてついたものです。跳躍力もかなりのものでしたが、何分にも前足が大きく力も並ではありません。寝てる私を起こす時この前足でポンポンと叩きます。重い重いポンポンでした。椅子の足の引っ掻き傷は私たちがご飯を食べている時「早くください。」「まだですか。」ガリガリ。モモさんと住んだ家のどのドアも「開けてください。」で引っ掻き傷。もちろん小さい頃の歯固めの噛み傷もあちらこちら。自分の意思を前足のガリガリで言い表していました。
箱をかけて椅子を引き出し、ここにと思う場所に置きました。あと一つ、主人が箱に入れてくれたもの、ベットの下に敷いていたマットです。 小さい頃はこのマットからひょいとベットに上ります。私のベットは普通のものより高いベットでした。香港の家の最後の頃は後ろ足の力が衰えて、ベットに上がりたい時はこのマットの上に座りただひたすらベットを見つめていました。「ベットにあげてください。」の意思表示です。「ちょっと待ってて。」と言って振り返ると待ちきれず自分でベットの上になんてこともありました。
一つの椅子を置いた場所は寝室です。ベットから見ていると今にでもモモが飛び乗ってこちらを見ているような気がします。「モモ、いらっしゃい。」
4つのうち残った一つは、今まだ海の上です。いつか4つの椅子がこの家に集合する日がやってきます。全部傷だらけです。