チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

雨の日の楽しみ

2019年05月02日 | 日々のこと

晴、14度、89%

 元号が変わり皐月に入りました。降り続く雨にうんざりしていましたが、昨日の夕方少しの晴れ間が広がりました。

 雨が降ると気が沈みますが、考えようによれば心が落ち着くとも思えます。ふっと差し込む日差しを見ただけで心が踊り出すことを考えれば、雨の日は心静かに考え事ができます。そればかりではありません。雨の日の楽しみは、雨に濡れた石を見ることです。

 アスファルトが雨に濡れていても何の感慨もありません。ところが石畳だとどうでしょう。石一つ一つが晴れている時とは違った表情を見せてくれます。我が家の庭には大小の石がたくさんあります。新しく庭を広げた時もスレートの石以外は元からこの家にある石を使って庭を作ってもらいました。 スレートの石は一律の顔しか持ちませんが、石はその凸凹も含めて雨に打たれれば打たれるほど趣を持って来ます。 玄関脇の大きな石は、昔はこの家の顔でした。母が逝き、この石の横にあった松が枯れました。以来精彩を欠いた石ですが、雨に当たると俄然存在感を持ちます。

 座敷に面する庭の蹲の石も晴れている時とは違って、しっとりとした風情を帯びています。昔はこの石の下には小さな池がありました。手持ち無沙汰な子供の私は池に広がる雨の雫をじっと見ていた覚えがあります。

 傘もささずに雨の庭を一巡、そして雨の日のもう一つの大きな楽しみを感じます。雨をいっぱい吸った土から立ち上げる匂いです。草草の間から臭う匂いです。気温が上がり始めた春の雨にはこの匂いがいつも付きまといます。冬の雨とも夏の雨とも違う匂いです。胸いっぱいに緩み始めた空気を吸うと、塞ぎがちだった顔に笑みが戻って来ます。

コメント
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