チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

雑誌

2015年01月21日 | 

晴れ、13度、79%

 私は昭和32年生まれ、小学5年生の時に雑誌「annann」が創刊されました。結婚してからは、ニューファミリー雑誌の「クロワッサン」が出てきました。考えてみれば雑誌世代の申し子です。子供の頃、母は毎月「婦人之友」『スクリーン」『ミセス」を取っていました。本屋さんが毎月配達してくれます。なんといっても、『スクリーン」が楽しみな私でした。母世代の雑誌と私たち世代の雑誌は、随分違いがあるように思います。世の中が多様化する中で、雑誌がカバーする範囲が広くなったように思います。

 香港に来てからは、日本の雑誌が恋しい。毎月頼むとかなり高いのもにつきます。香港の本屋では立ち読み防止のためにビニールが掛けられています。日本に帰ると、本屋の雑誌の棚の前で、片端から読んで行くのが何よりの楽しみでした。成田空港の改造社や三省堂の棚の前で、入関ぎりぎりまで立ち読みをしていました。それも、ほんの5年程前までのこと、最近は、必要なものしか見なくなりました。

 バブルの頃は、雑誌の数がやたらに増えましたが、メールマガジンの力もあって、廃刊に追い込まれる雑誌もあったと聞きます。年齢や生活層にターゲットを絞った雑誌は、それでも生き残っています。

 雑誌って何だろうって考えます。本とは違います。使い捨ての知識、情報源。これほど、雑誌雑誌と追いかけていた私が、雑誌の意義を考え始めるとはたと行き止まりました。月刊誌はひと月ひと月の区切りを意味していました。雑誌から情報を得ることもありますが、実生活とはかけ離れた世界も連れて来てくれます。行くことも出来そうにない、地球の裏側の国への旅。絶対に身に付けることのなさそうなデザイナーのローブ。

 そうした沢山の雑誌から、切り取った保存用の記事が大きなファイルで3つあります。古い記事は30年を遡るもの、時折この記事のファイルは手がはいって必要でなくなったものは廃棄されています。記事の3分の一は、料理の記事です。ついで、手芸の記事。結局、旅行でも服装でもなく、私の興味は全く実際的な生活の記事ばかり、そしてそれこそが私なんだと改めて気付きます。

 主人は、雑誌には興味がありませんが、10数年も「ナショナルジオグラフィック」だけは読み続けています。沢山溜まった黄色いナショナルジオグラフィックも昨年末、一年分を残して捨てました。

 主人が年末から帰国の度に買って来てきれた雑誌、チクチクが終わるまでお預けです。見出し写真は、このひと月に我が家にやって来た雑誌です。

 

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サバの薫製

2015年01月20日 | 料理

晴れ、14度、70%

 自宅で薫製を作り始めたのは、随分昔のことです。薫製用の炉を持っているわけではありません。自宅の台所で、手持ちの鍋で作る薫製です。チキン、魚、貝、チーズに卵。チップだって、桜がとかヒッコリーがとかいいません。家にあるお茶っ葉、ちょっと美味しくない紅茶やウーロン茶を使います。

 この簡単な薫製、確か、アメリカの雑誌「FOOD & WINE 」に載っていたものです。以来、有り合わせのもので、自分なりに工夫を重ねて作ってきた薫製、美味しいです。

 鍋底に紅茶の葉っぱ、砂糖、お米を少しその上に網をおき、薫製したいものをのせ火をつけて燻すだけです。魚もお肉も生のまま使います。薫製は、一つの火の入れ方だと考えます。焼く、煮る、蒸す、揚げる、炒める、燻す。私の中では同じ直線に並んでいる調理法です。

 使う鍋は、燻すものの大きさで決めます。マナガツオ一匹の薫製、これなら中華鍋。チキンレッグ2本ぐらいなら、蒸し器で。家で楽しむ薫製です。簡単に気負わずに作れることが何よりです。

 まだ、息子が中学の頃、お弁当にチキンレッグの薫製を入れました。お弁当箱の蓋をとれば、あの薫製のにおいです。のぞきにきた友人がお弁当箱の中に見たものは黒々としたチキン。薫製などに馴染みのない子に詰られて、お弁当に入れるのは止めました。

 ただ燻した香りのよさを付けるだけではいけません。魚も肉も固くならずジューシーに燻すようになるまでは、燻す時間を考えます。脂が乗っているものを燻すのは最高に美味しくできますが、脂身のない物はマリネする時にオイルを補って燻します。最高の薫製は、身がぷっくりと持ち上がっています。蓋をとって、ぷっくりが見えるとしめたもの。もういいかなあの一息手前で火を止めて、蓋をとらずに待つことをお勧めします。

 家で作る薫製の一番の楽しみは、暖かな薫製が食べられることです。薫製といえば、冷静のオードブルと考えがちですが、家で作ると、ドンと暖かなメインになります。

 簡単簡単と申しましたが、一つだけ、気を付けてください。使ったお鍋は、タールでドロドロになります。紅茶を蒔く鍋底にはアルミ箔をひくことをお勧めします。肉類は燻す時間もかかります。時には台所の天井も、何やら茶色く変色します。さっと直ぐに洗えば、どの汚れも落ちます。

 庭のある日本の家に戻れば、いつかこの薫製用の炉を組もうと考えています。ローストともグリルとも違った薫製、食べ物の持つ旨味にいい香りのおまけ付きです。

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ワイングラス

2015年01月19日 | 身の回りのもの

晴れ、13度、47%

 毎晩ワインを頂きます。ワインのことについては云々いう程詳しくもありません。ただ美味しく頂いています。私の毎晩の食器洗いの中には、そんわけで、必ずワイングラスがあります。ワイングラスを洗って、拭いて、食器棚になおすと、その日一日の私の仕事が終わります。

 いったい幾つのワイングラスを割ってきたでしょう。その度に心が痛みました。最近は割れるものと割り切っています。割り切ってはいるのですが、グラスの置き場に隙間が出来ると、寂しくなります。

 毎晩使うワイングラスは、そんなにいいグラスではありません。というか、ペアで買ったり頂いたグラスのうち片方が欠けたものを使っています。ウォーターフォードやアレッシー。ワイン好きな方はご存知でしょうが、ワインは、グラスによって味や香りが違ってきます。薄いバルーン状のワイングラスで飲むワインは、あの膨らみの中でより香りを増して口元に運ばれてきます。グラスを傾けも、すぐに唇には届かない大きさです。その間、まろやかなワインの香りが鼻をくすぐります。そして透かしてみえる赤い色合いに暖かさを覚えます。

 数揃えている幾つかのワイングラス、客事用に求めたわけではありません。ディーデルの薄いバルーンもクリストフルのカットグラスもスチュワートの白ワイン用のグラスも、好きで、毎日でも使いたくて買い求めたものばかりです。それなのに、欠ける割れるを恐れて、最近では、客事にしか使わなくなりました。6客色違いで揃えた見出し写真のクリストフルのワイングラスを随分以前に欠いたことがありました。唇に触れる縁をほんのちょっぴり欠いただけでしたが、使い物になりません。私にしては珍しく、このワイングラスだけは一度に求めずに、2客ずつ、3回に分けて買いました。買った当初でもかなりの値段のものでした。欠いた2客を買い替える時もまた、エイッとばかりの買い物でした。

 そんな経験があるから、普段使いしないのかもしれません。でも、使うために、楽しむために買い揃えたグラスです。ワイングラスだけを仕舞ってある食器棚まであります。その中を覗きながら思います。やっぱり使わないと。いいワインはもちろんいいグラスで楽しみますが、私が毎晩頂くようなそこそこのワインでも、いいグラスが持って来てくれるおまけの美味しさがあります。いいワイングラスで飲むと、そこそこのワインが、2ランクぐらい跳ね上がってくれます。

 一時期、ビストロ風にヂュラレックスの水を飲むようなグラスでワインを飲むのが流行ったことがありました。大勢で、わいわいやる時にはもってこいのグラスですが、ゆっくりと、食事を楽しみながらのワインには、ステムのついたワイングラスが格好です。

 今晩は、フワッと炊いたお大根で赤ワインを。さて、どのワイングラスを合わせましょうか。

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濃口醤油 淡口醬油? 砂糖 みりん?

2015年01月18日 | 日々のこと

晴れ、14度、77% 

 寒くなると、和風の煮物が食卓に上がることが多くなります。お大根なんて最高に美味しい季節です。主人が日本の出張で成田から戻って来るときは、新鮮な野菜を空港で買って来てくれます。お野菜だけの夕飯です。里芋なんて、ヌルヌルが一杯で香港の里芋とは違います。煮崩れも少なく、ほっこり甘い里芋。太ネギも芯からネギの香りが甘みと上ってきます。小松菜なんて、さっと煮浸しただけなのにほろ苦さが堪らない。細い細いごぼうはささがきにすると、そのまま生でも食べれそう。こんなにごぼうの香りが豊かなごぼうは久しぶりです。おカブなんぞは皮を厚めにむいて、おカブの皮のお味噌汁、これまた絶品です。

 日本に住んでいると、そんなことに気付かずに生活していたと思います。久しぶりに食べるおいしい野菜に、日本を感じ、日本の土や空気を懐かしみます。こう考えると、まんざら海外に住むのも悪いことではありません。日本のほんとにいいところが見えてきます。おそらく、海外でも香港は日本人にとって住み易い街の一つです。今やなんでも日本のものが手に入ります。それなのに、お野菜一つで大感激をします。

 さて、野菜を並べて料理にかかると、まずはだしを何にするか考えます。煮干し、昆布、かつおぶし。それに昨年はあちこちから焼きあごの出汁パックを頂戴しました。九州北部だけの焼きあごの出汁かと思っていたのですが、北陸産のまであります。焼きあごの出汁、もし見かけたら使ってみてください。出汁パックは、使い易くこの味にハマること請け合います。出汁が決まれば次は味付け。濃い口醬油と砂糖の組み合わせか淡口醬油とみりんの組み合わせか?どちらにしましょうか?

 肉じゃがは定番お砂糖に濃い口醬油ですが、ジャガイモがほっこりしていそうなときは、みりんと薄口醤油で味を付けると同じ肉ジャガでないようなお味になります。高野豆腐や湯葉は、薄口にみりんと決めてます。野菜を炊く時は野菜に聞いてみないと分かりません。冬のお大根を優しい味に仕上げたいときは、やっぱりみりんと淡口醬油を少し。お砂糖は、甘みを足したい時にしか使わなくなってきました。野菜本来の甘みを生かしたいときは、お砂糖を加えると大事な旨味が隠れてしまいそうです。

 野菜の皮むきながら、野菜に尋ねます。カボチャなどはこの違いが一番出る野菜です。ほんとにいいカボチャに出会ったら、お砂糖はいりません。少しの淡口醬油だけで甘みがぐっと引き立ちます。

 20年以上前の香港、売られている醤油は1種類、薄口もヒガシマルしか売られていませんでした。今では日本並みにお醤油やお味噌が選べます。フンドーキンの薄口にかつおぶしの小さな塊を入れたキッコーマンの減塩醬油、この2つが今の我が家のお醤油です。

 日本にいれば、気付かずにいたかもしれないお野菜本来の旨味、出来るだけ損なうことなく食べてやろうと思います。

 

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モモさん、11歳になりました。

2015年01月17日 | もも

晴れ、14度、58%

 おかげさまで、モモさん元気に11歳を迎えることが出来ました。お口の周りは随分白くなりました。お顔も少し白くなりました。寝てる時間が永くなりました。私たちが帰宅したのも気付かない程熟睡していることもあります。11歳、かなりのお歳です。それでも、朝晩の散歩は欠かしません。お散歩途中で、大好きな犬や大嫌いな犬のお友達に会うと、一遍に若返って、目がキラキラします。それと、毎日のご飯の時、これまた、いつも変わらぬ食欲です。大好きなネズミちゃんごっこも、回数は減りましたが相変わらず。

 毎年この日に書くことですが、モモさんのほんとの誕生日が17日かどうかは知りません。 モモさんは、2004年の一月生まれとしか、私たちは知りません。我が家には、当時17日生まれが2人いました。私と息子です。ラッキーナンバーは17。そんなわけで、モモさんの誕生日は1月17日と決めました。そして、昨年は、もう一人17日生まれが仲間入り、孫です。みんな生まれ月こそ違いますが、17日が誕生日です。

 香港も、気温が低い日が続いています。モモさんに取ってお散歩に快適なシーズンです。我が家は坂の途中、一歩外の出れば上り下りの散歩です。この過ごし易い季節には散歩の距離が随分長くなります。平坦な道なら、どこまでも歩いて行けそうな勢いです。ところが、最近一つ面白い現象が。長い長い階段の前に来ると、モモさん、上を見上げて立ち止まります。階段の上りは、もうきつくなってきたようです。そこで、坂道を選びながら散歩を続けます。

 このひと月程、私は殆ど家からでていません。じっと座ってチクチクをしています。モモさんは、私が座っていれば、膝の上でお昼寝です。 私の膝は小さいので、居心地が悪かろうと思います。それでも、落ちまいと、  しっかりへばりついています。10キロ近いので、私はずっとしびれがきれています。毎日毎日、一緒にいることが出来る時間を大切に送りたいと思います。

 今も、私の膝の上でじっと見上げてくれています。この安心感、この温もり、ありがとう、モモさん。

 

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和三盆

2015年01月16日 | 日々のこと

曇、15度、86%

 ひと月近くも朝からチクチクとやっていますと、体は使いませんが何やら甘いものが急に食べたくなります。きっと、頭の中が糖分を欲しているのかもしれません。度々立たなくていいように、身の回りにはお茶やらお菓子を置いてチクチクをしています。立てないのはモモさんが膝の上にいるせいです。チクチクをしていますから、手を汚さずに口にポイと放り込めるものがいいなあと思います。クッキーでも指先にバーターの香りが残りますし、おせんべいなどはお醤油が付きます。

 年末頂戴したお干菓子があるのを思いだしました。和三盆から作る打ち物のお干菓子。小さい頃は香川の方からよく和三盆糖を頂きました。母が、貴重なお砂糖だと言って自分一人で舐めていました。その後、時折お茶菓子になるお干菓子がこの和三盆糖から作られることを知りました。でも、実はちっともお干菓子を美味しいとか、食べたいとは思いませんでした。おあんの入ったお菓子の方が魅力的。和三盆といわれるお干菓子が美味しいと思うようになったのは40を過ぎてからです。和菓子らしい色合いに、小さな様々な形、口に含んだときのすっと溶けて行く和三盆のおいしさ、品の良いお砂糖ですから、日本茶でなくても、コーヒーにも紅茶にも合います。

 和菓子は目にも美しく、口にも福を運んでくれます。40を越して美味しいとしみじみ思う和三盆、最近はこの打ちものと呼ばれるお干菓子の木型に興味があります。木型は和三盆に模様を付けるものです。木型をポンと叩いてお干菓子を作るので、打ち物と呼ばれているそうです。木型を作る職人さんが全国でも数少なくなったとか。和菓子の器具を売っているお店で、この打ちもの用の型を見ると、その可愛らしさ、精巧さに幾度も手に取ってしまいます。和三盆を作るわけでもないのに、毎度欲しいと思います。使い込まれて木の色が飴色になった打ち物の型を思い浮かべます。木型で抜かれたものは、プラスチックなどの型と違って柔らかさがあるように思います。

 お干菓子、小さいけれど一つ口に含むだけで、パッと頭が冴えてくれます。お砂糖ですから。それに、もう一ついいことが、和三盆を食べていても、膝の上の方は、においが少ないせいか起きてきません。一人でこっそり和三盆を楽しんでいます。

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香港のタイ米 新米

2015年01月15日 | 香港

晴れ、10度、71%

 香港で売られているお米の種類はほんとにバラエティーに飛んでいます。日本ではほとんど見られないロンググレイン。日本米がショートのなのに比べると細長く、粘り気のないお米です。中国、オーストラリア、タイ、インド、ベトナムから入って来ます。香港人が最も好むのは、タイのジャスミン米。いい香りがするので、ジャスミンと呼ばれますが、日本人に取ってはこの香りがどうも頂けないようです。ロングライスの中でも、お値段が一番いいのは、インドのバスマティライス。ロングライスは、粘りがでないので、さらっとお腹に納まります。

 日本米、今では本当の日本産の日本米が、しかも、日本中からの日本米が手に入る香港です。一昔前までは、アメリカ産の「錦」や「田牧米」、オーストラリアの「桜の城米」、「ダブルシープ」しかありませんでした。今では日本産に加えて、中国の北方から韓国、台湾、ベトナム、タイ、イタリアからも日本米がやって来ます。要するに選り取りみどりです。この日本米、ショートグレインに限っていえば、値段は日本産が断然高く、それだけにおいしいお米です。ついで、アメリカ産の日本米も充分に美味しく頂けます。

 我が家は、主人は日本産の日本米、私はタイのジャスミンライスが主食です。単価にして日本米はジャスミンライスの8倍程です。私は、タイ米の軽い食感が大好き。お腹に持たれません。お正月を挟んで、ここひと月程、大好きなタイ米のご飯、なんだか柔らかくいつもと違います。タイ米は、お米と同量の水で炊きます。水加減を間違えたかと、また炊いても柔らかく感じます。タイ米でも、いろんなブランドがあり、食べ比べて今のブランドに落ち着きました。なんだか、毎日のことですから不服です。硬めさらっとしたご飯が食べたい。このお米を買ったのは暮れも押し迫った頃でした。そうそう、ちょっと気になって袋を出して来ると、「新米」とシールが貼られています。買う時に『新米」と書かれているのを初めて見たもので、あれ?と思って買ったことを思い出しました。『新米」などと名を打つのは日本米に限ったものだとずっと思っていました。タイ米に「新米」シールが貼られていたのは今回が初めてです。タイは一年中お米が採れるところです。何でまた「新米」シールなんて貼ったのかしら、と訝しく思います。

 でも、柔らかく炊きあがるところを見ると、「新米」に違いありません。今では、大手のおせんべいメーカーがタイに工場を構えています。タイはロンググレインが主ですが、日本米のショートグレインも作っています。つまり、日本のおせんべいやあられを食べていても、原料のお米がタイ産であったりベトナム産であったりするわけです。日本の米作りは手厚く保護されていますから、高いお米が出来上がります。それに比べると、タイやベトナムの日本米は安く手に入りせんべいなどに加工されているのでしょう。

 本来はその土地その土地で作られるものを、旬の時期に口に入れるのが一番だと思っていますが、香港、生憎今ではお米は全く作られていないと聞きます。いえいえ、野菜一つ充分に自給していない現状です。この新米シールを見ながら思いました。このシールは嘘をついていませんが、きっと、日本で売られているお米の真似をしたものだと思います。タイの米作りの現場にも、日本人の生産アドバイザーがいたりするのではないかと想像します。

 年明けから、お米一つで東南アジアの米作りを考えてしまいました。大きな胃袋を持った香港が世界中から集めて来る食材、毎日のお米一つからこんな有様です。今我が家は、昨晩帰宅した主人のために、日本の新米が炊ける香りが充満しています。こんな恩恵に預かれるとは、20年前には思ってもいませんでした。

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孫が歩いたそうです。

2015年01月14日 | 日々のこと

晴れ、10度、77%

 もうすぐ11ヶ月を迎える孫が、たった一歩ですが歩いたとお嫁さんが知らせてくれました。たった一歩、それでも自力で歩いた初めての一歩です。この一歩がなければ何も始まりません。

 匍匐前進に始まり、つかまり立ち、伝い歩き、そして、初めての第一歩。本人にとっては自然の流れ、嬉しくともなんともないこの第一歩ですが、それを見守る父母は、胸に来るものがあるはずです。たった一歩、それも予期せずやって来ますから、シャッターなど押す間もありません。

 この孫の父親しか子供に恵まれなかった私です。息子が初めて歩いたときのことを、しっかりと写真でも見ているように覚えています。歩くのも、話すのも遅い子でした。初めて歩いたのは、2歳前のことです。家の近くの洗足公園に散歩で行き、鴨が泳ぐ中をボートに乗りました。その帰り、坂道を下る時ほんの2、3歩、トコトコと歩きました。後ろから来る主人に、歩いたわよね?と尋ねた程、あっという間の出来事。しかも、次の日もその次の日も歩くかと待ち構えているにもかかわらず、当のご本人、歩く気配もありません。そうするうちに、トコトコが重なって、本格歩きになりました。トコトコ、どすんと尻餅をついたり。トコトコ、ばたんと前のめりに倒れたり。その頃になると自分でも歩けることが楽しくなったようです。ニコニコして歩いていました。

 子供の成長を見守る家庭は、温かな空気が感じられます。遠い昔の思いでのようです。孫の成長の嬉しさとともに、しばらく忘れていた子供の成長とが重なり合います。私の胸にも暖かなものが拡がってきました。

 この所、チクチクに忙しくしていて、年明け早々に帰国した主人が買って来た息子一家へのお守りをまだ出していません。今日は時間を作って出しに行きます。「こどもおまもり」どうか、希望と思い出を連れてきてくれる我が家の孫を守ってやってくださいね。

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男の人のハンカチ

2015年01月13日 | 身の回りのもの

雨、12度、98%

 はい、朝からチクチクと励んでいる毎日です。チクチクと刺している間は、目数を落さないように集中していますが、意外に心ではあれやらこれやら考えています。今日みたいな雨の日には、麻布を通る糸の音と膝の上の方の寝息と遠くの部屋の古い時計の音だけが耳に心地よく感じます。でも、ちょっと物足りないなとDVDをかけました。ジョニーディップの古い映画、つまり、ジョニーディップの若い頃の映画です。もう何度も見ている映画ですが、画面に写るディップの顔に惚れ惚れ。やっぱり若い時からいい男だわ、若いから顎の線がきれい。などと手元の針は止まります。挙げ句に、あれ?どこを刺してたのかしら、とたった30分の間に、4回も糸を切りました。やっぱり、ジョニーディップを見るのはいけません。そこで、衛星放送のNHKワールドをかけます。このチャンネルは同じ番組を6時間ワンセットで繰り返して流しています。人によってはつまらない局だとおっしゃいますが、日本に疎くなっている私にとっては、繰り返し見ても飽きないものがあります。殆ど全て、英語で流れています。

 画面に写っているのはジョニーディップではないので、男の人でも女の人でもお構いなく手は進みます。ふと見ると、大写しの中年の男性が、ポケットからハンカチを取り出して、眼鏡をあげて目頭を押さえました。インタビュー番組のようです。感無量なことがあったのでしょう、50代初めに見える男性の手元のハンカチとその涙の拭い方が、すっと胸に落ちます。ほんの一瞬の映像ですが、ハンカチが印象的に頭に残りました。色といい、きちんと折りのついたハンカチです。まさか、泣くために用意していたものではないと思います。

 急に、私は立って主人のハンカチを入れているタンスへ向かいました。ただ今出張中なので、家に残っているハンカチの枚数は少なくなっています。もちろん洗って、アイロンをかけるのは私です。一年を通してハンカチは必ず持って出かけます。当然ハンカチはなくすものでもあります。ハンカチを買い足すのも私ですが、考えてみるとここ数年、あの小さなタオル地のハンカチぐらいしか買った覚えがありません。タオル地の小さいのは、自分は好きでないのですが、汗をかく夏場にと思って買います。それにアイロン要らずです。女の私でもあの小さなタオルのハンカチはちょっと思っているのに、主人には平気で持たせていました。男の人が、あの大きさのタオルをポケットから出すのは、見方によっては様になりません。お若い男性ならまだしも、50もとうに半ばを過ぎた主人です。

 香港、やっとハンカチが売られるようになりました。でも、あまりいいと思うハンカチはありません。地元の方にお返しなどにハンカチをあげても使っているのを見たことがありません。日本のデパートのハンカチ売り場は、独特なものだと思います。日本らしく、ブランドの名前の入ったハンカチが一年に2回、シーズンに合わせて並ぶのですから。つまり、私は日本に帰った時にハンカチを調達してきます。あのテレビの映像以来、気になっているのが、出張先での主人のハンカチです。新調していないので、どのハンカチも、腰がなくヨレヨレ。アイロンをかけても、あのテレビの男性が出していたハンカチのようではありません。腰がなくなったハンカチは、それなりに風合いがありますが、男の人が人前で出すハンカチは、ぴしっと角がたっていなくてはと思います。なんだか、主人にすまなく思います。

 次に日本に帰ったら、まずは男物のハンカチの調達です。

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ガレット デ ロワ

2015年01月12日 | 菓子

雨、16度、67%

 キリスト教では1月の6日は公現祭といい、キリストの誕生を東方の三博士が祝う日とされています。フランスではこの日に、アーモンドクリームの入ったパイを焼きます。それが、ガレットデロワ、王様たちのガレット。つまり東方の三博士を意味します。このパイにはフェーブという小さな焼き物を一つ忍ばせます。切り分けて、そのフェーブが当たった人は、その年一年好運が巡って来るといいます。

 今年のお菓子の焼き初めに、このガレットを焼こうと5日からパイ地やらアーモンドクリームを仕込んでいました。ところがチクチクを始めますと、パイ地をのばして、クリームを絞って焼く、その行程すら時間がもったいない。しかも、膝の上にはクリスマス以来お太りになった方が、スースーといい寝息をかいています。この睡眠を妨げたくもない、様々な思いで、いえ、結局は怠慢なもので、昨日やっとガレットデロワを焼きました。

 気が付けば鏡開きの11日です。お汁粉ならぬガレットデロワでおやつにしました。

 フェーブの入らないアーモンドクリーム入りのパイはピティビエと呼ばれます。アーモンドクリーム、クレームダマンドはバターと砂糖とアーモンドの粉少しの卵で作ります。このクリームはカスタードクリームやホイップクリームほど日本では馴染みがありません。重いクリームです。私はカスタードクリームよりこのクレームダマンドが好きで、フルーツのタルトにもこのクリームを使います。いかにもフランス菓子と思わせるクリームです。

 フェーブなど持ちませんので丸のままのアーモンドを入れました。このガレットを食べるのは、私とモモさんです。どちらがアーモンドを当てても文句なし。パイを焼いている途中から、部屋はバターのいい香りで一杯です。

 パイを出してきてテーブルに置くと、ご覧のように、モモさんお待ちかね。もう一息冷めてからが美味しいからね。と待たせています。

  切り口にアーモンドの陰が。

 いつか、フェーブを手に入れたいと思っています。先日、知人が東京にフェーブの専門店があるらしいと教えてくれました。フランスならまだしも、東京です。フェーブの収集家がいるのでしょうか。パイの中から、小さな陶器が出て来る、想像しただけでも、なんだか可愛げです。

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