雨、10度、82%
「ガトーマジック」、フランスで急に流行り出したケーキだと聞いたのは昨年の暮れ頃でした。3つの違った食感などと書かれています。3つの層が出来るケーキだそうです。底にビスケット地、次がスポンジ、その上をババロア、そんな組み立てる従来のケーキのイメージを持ちました。ところがひとつの生地で3つの層が出来るので、マジック。ドロドロの生地を型に入れて焼くだけですから、簡単です。
初めて作るときはプレーンなバニラ風味でと思いますが、やたらに、抹茶のケーキが食べたくて抹茶を入れてみました。別立てのスポンジケーキの作り方ですが、沢山のミルクが入ります。どろっとした生地ではなくて、バシャバシャの水っぽい生地です。この生地を見たとき、随分以前に作ったフランスの古いお菓子「ミアス」を思い出しました。卵と粉とミルクとバターとお砂糖をただ溶いただけで焼いたお菓子です。泡立てることもない「ミアス」は層など出来ませんが、素朴な味のお菓子です。
ガトーマジック、ほんとにうまく焼けるか心配なくらい、水っぽい生地です。それを低温で湯煎にかけて普通のスポンジの倍くらいの時間で焼きます。生地を型に入れる時、もしかしたら、スポンジケーキの配合を間違った人が思いついたケーキではと思ったほどです。焼き上がってあら熱が取れたら、落ち着かせるために冷蔵庫にいれます。 なかなか、お口に入れることが出来ません。
ちょっと見はシフォンケーキのようです。ところが切り分けると見出し写真のように3層に分かれています。一番下は、プリンとしたフラン。真ん中はトロリとしたクリーム。一番上はフワフワしたスポンジです。真っ直ぐ縦にフォークを入れて、3つの層を一度に味わいます。口当たりが違うだけで、こんなに味が違うものかと驚きです。やっぱりマジック。
時間をかけて、生地が分離したところで火が入るのでしょう。作るのも簡単、食べるのも楽しい、面白いケーキです。しかも簡単にアレンジ出来そうです。さあ、しばらくはこの「ガトーマジック」に凝ってみましょう。