蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

おしゃれウォッチング シブメン編

2010-01-23 | 人々の風景
熟年男性で、おしゃれさんは、ほとんど見かけない。
でも、たまに見かけると、捨てたもんじゃないな、と、なんだか嬉しくなる。

「オサレ」という今風コトバは、あえて、使いたくないので、
ダサいけれど「おしゃれさん」を使用します。

今朝、電車で見かけた、おしゃれさん、その1。
まず、バッグが目に入った。
オーク・ブラウンの、使い込んだ渋い輝きを放つショルダーバッグ。
お、やるじゃない。
お次は、同じくオーク・ブラウンのイタリアン テイストのブーツ。
ロングノーズ、びゅんびゅんではなく、いかにも、ちょい悪おやじ風ではないところが、
抑え気味でいい。
黒革の大振りブルゾンに、黒いカシミヤ風マフラーをイン。
パンツは細身で、黒。
メガネは、黒いメタルっぽい、細いフレーム。
髪は、深い黒で、長すぎず、短すぎず、ちょっと、大きなうねりの天然ウエーブ。
哲学的な、インテリっぽい、青白めの顔。
推定年齢、55歳ぐらい?

その2。
おしゃれさんではないけれど、かっこいい人。
地下鉄のホームで、見かけた。
服装は、だらしないわけでも、不格好なわけでも、安物っぽいわけでもなく、
でも、別におしゃれさんでもない。
ただ、顔と、背格好がナイスで、ウカツにも、ちょっと見惚れてしまった。
年の頃なら、40代前半?

その人を見ようと、乗車してから、向かいではあるけれど、ドアを挟んで、ひとつ隣のシートの端っこに座った。
斜め前から、ウォッチングしようという魂胆だ。
ところが、その企ては、予期せぬ方向へと暗転した。

私の隣に、若い?女性が座った。
「もしもし、あと3分で電車が発車しますから、着くのは1時間15分後です」
と、携帯で話していた。
なんか、その話し方が、ちょっと、癖があるな・・・と嫌な予感がしていた。
その電話のあと、彼女は、ガブっと、なにかにかぶりついた。
ムシャムシャ、ムシャムシャ、大口をあけて、パクパク。
よっぽど大きなオニギリか何かを自分で作って持ち込んだのかと思ったが、ちらと見ると
市販のサンドイッチだった。
目的地には、あと1時間15分もの時間がかかるから、
スケジュール上、電車内でブランチを取る必要があるのかも、と、自分なりに理解を示そうと頑張った。
だから、人目もはばからず、あんなバカでかい大口で、かぶりつくのか、と。

ところが、今度は、ズズズーっという音が、繰り返される。
液体? 
ズズズーっ、ズズズーっ、ズズズーっ、お皿のようなものをすすっている?
気になってまたまた、ちらと見ると、今度はデザートのヨーグルト。
スプーンは、ないのか?
デザートとなると、スケジュール上、時間がない、とかではない。
車内は、ダイニング・キッチンか、イート・インのショップか?
その次に、今度は、鏡を取り出し、お化粧。
そして、それが終わると、脳トレか、ゲームを始めた。
完全に、車内はリビングルーム化、個室化されている。
私も、自分の部屋みたいに寛いでいるけれど、車内でガバガバ食べたりはしない。
真横で、あんなに色々されると、どうも、不快になる。

親の顔が見たい・・・そんな、一番(自分としては発したくない)嫌なフレーズが頭に浮かんだ。
今の若い人は、平気で車内で食事をするようだが、それが、昨今の常識、ありきたりの光景なのだろうか。
やれやれ、私も、すっかり年を取ったものだ・・・。

せっかく、シブメン鑑賞の予定が、げんなり。
いろんな人がいる。