年末の忙しい最中、スポーツ会館へ出向いて、ダンスの自主練習をした。
そこには、人、人、人・・・
年末の雑事に追われるのでもなく、老人の開放区が、そこにあった。
背中がぐんにゃりとまん丸になった、元、お姫様。
真っ赤なドレスに、茶色のウイッグ(たぶん)。
バーテンダーみたいだったり、カウボーイみたいだったりする、
不思議なファッション・アレンジの、元、イケイケ青年。
600円で半日、踊りっぱなし。
喫茶店でコーヒー飲んで、ねばったり、ジャンクフード食べて、ヒマ同士、たむろしたり、
パチンコや競馬に行ってるより、
よっぽど活動的で、健康的。
家に居るだけで(お気の毒に)うっとうしがられるより、600円握って出かけるほうが、ずっといい。
そこは、ご老人パラダイス。
煌びやかな衣装に身を包んだ、元、お若い方々。
そこには、期限のない青春があった。
(消費期限はOKでも、賞味期限は・・・???いえ、そんなことは超越しておられる)
同じ健康ランドでも、大衆浴場のノリとはまた違う、もっと、プラス・アルファ、
受動的ではなく、能動的な癒しの場。
活気がある。
しかし・・・その中では、わたしはおそらく最年少。
もっと、仕事するなり、人のお世話するなり、介護するなり、働いてなさい、ってかんじ。
介護されてもおかしくないような人々の中では、ハナタレ小僧。
皆々さまのダンスのレベルは、・・・・うーーーーん・・・・でも、健康的だからいいか。
それより、ひっかかるのは、ラテンの曲がほとんどかからないこと。
激しい動きや、アップテンポのリズム・・・みたいなのは、まったく、まったく、まったくかからない。
スタンダードの曲も、わたしの好きな英語のノリのいい曲は、かからない。
そのかわり、ド演歌がかかる。
ド演歌は、非常に踊りにくい。
あの間の取り方、テンポ、節回し・・・うーーーん・・・・
あまりにも、ラテンの曲がかからないので、もう、あの会館には行く気がしない。
ほんの少し、申し訳程度に、ルンバの曲がかかったが、お相手をしてくれる男性がとても少ない。
リズムの取り方も、ステップもヘン。
ルンバを踊りたい女性は多いのに、男性は、お嫌いのよう。
女性は、大勢、列を作るが、男性は、がらーん。
(男性は多数いても、ラテンになると相手をしてくれる男性が減るから)踊れない女性が大勢いる。
なので、女性が全員、順番がまわってくるように、お情けで、3曲立て続けにかかった。
もともとルンバをはじめとするラテンは、女性の動きがキレイに見えるダンス。
なのに、それをさせてくれないなんて、つまらない。
わたしは、ダンスはヘタ。
躍動的で若々しい場に行くと、単なる見学者になるし、
超高齢者軍団の中に入ると、つまらないし、
自分と同じぐらいの年齢の、お上手な人たちの中に入ると、隅っこで劣等感のカタマリになるし、
うまくいかない。
社交ダンス人口は、増えていると言われているが、
現場では、そんなこともないと感じる。
(ギョーカイが煽っているだけ?)
ひとくちに社交ダンスといっても、いろんな場があるようだ。
わたしは、高齢になったら社交ダンスを続けているかどうか、自信がない。
足か腰を悪くするか、自分を見限るか、
はたまた、高齢の新しい自分になっていて、別の境地で別の歩みをしているか、
今は、なんとも言えない。