『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』
監督:宮藤官九郎
出演:長瀬智也,神木隆之介,尾野真千子,森川葵,桐谷健太,清野菜名,
古舘寛治,皆川猿時,古田新太,宮沢りえ,坂井真紀,荒川良々他
当初は今年の2月に公開予定で、台詞を覚えてしまうほど予告編を目にしました。
ところがお正月明けにスキーバス転落事故が発生。
作品の描写が事故を連想させるとして公開延期に。
完成披露試写会は事故の数日前におこなわれていたそうで、
その試写会からは5カ月経ってからの公開と相成りました。
2日連続のなんばです。
「なんばパークスシネマ地獄」にはハマらないと決めたから、
この日はTOHOシネマズなんばにて。
勝負に出たい修学旅行のバスの中、ひろ美の隣席をゲットするが、
バスが崖から転落、気づけば大助は地獄に墜ちていた。
乗客はほぼ全員死亡したはずなのに、周囲を見渡せば知った顔がいない。
なぜかほかの同級生はみんな天国へ、大助だけが地獄へ墜ちたらしい。
困惑する彼の目の前に現れたのは地獄専属ロックバンド“地獄図(ヘルズ)”。
ひろ美にキスはおろか告白すらしていない。
あんなこともこんなこともできないまま、この若さで死ぬなんて。
輪廻転生という言葉がある。なんとか生き返ることはできないのか。
バンドを率いる赤鬼のキラーK(長瀬智也)が言うには、
毎週金曜日に地獄農業高校でえんま校長(古田新太)に面会する席が設けられている。
そこで裁きを求めれば、現世(人間道)に転生するチャンスがあると。
最高7回まで裁きを受けることができるが、7回とも失敗すれば、
永久に地獄から出られず、鬼として地獄で暮らすことになる。
えんま校長の裁きは気分次第だから、とにかくアピールして、
早いうちに人間道に転生する裁きを受けようと、大助は心に誓うのだが……。
監督はクドカンですから、相当な面白さを期待していました。
そこそこ面白かったけど、期待ほどではなかったのが正直なところ。
これなら『中学生円山』(2012)のほうが私は好きだったな~。
しかしキャストは超豪華。
まず憂歌団の木村充揮が唄うたいの小鬼として出演していることに笑い、
鬼ギタリストのCharと野村義男のギターバトルに興奮。
皆川猿時演じる女子高校生(笑)=じゅんこちゃんのバックバンドは
マーティ・フリードマンとROLLY(ローリー寺西)。
ヘヴィメタ好きならばこんな出演陣による演奏で楽しさ倍増。
メイクが厚いものだから、『妖怪大戦争』(2005)のときのように誰が誰だかわかりにくい。
古田新太やみうらじゅんはそれでもすぐにわかりますが、
田口トモロヲと烏丸せつ子は頭部を外して登場する後半にやっと判明。
中村獅童が出演していたことにエンドロールで気づいた方、
彼の役どころは精子ならぬ我慢汁です。探してください。
ま、クドカンらしいっちゃらしい作品です。
『あまちゃん』が好きだった高年ファン向けではありませんが、
クドカンの芸風がお好きな方はどうぞ。