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『潜入』

2021年06月23日 | 映画(さ行)
『潜入』(英題:Bloody Tie)
監督:チェ・ホ
出演:ファン・ジョンミン,リュ・スンボム,キム・ヒラ,
   チュ・ジャヒョン,オン・ジュワン,イ・ドギョン他
 
シネマート心斎橋にて、『ザ・バッド・ガイズ』の次に。
 
2006年の韓国作品を今ごろ劇場公開。
TVドラマ『ハッシュ 沈黙注意報』が面白いとの噂を聞いていますから、
その主演、ファン・ジョンミンの人気に便乗したのでしょう。
未公開だったのも納得の作品だろうと期待せずに観に行ったら、面白かった。
当時は俳優の知名度が低かったから未公開になったのかな。
ファン・ジョンミンよりむしろリュ・スンボムのほうが凄い。ダブル主演です。
 
1998年、国家が破産するかという経済危機に見舞われている韓国。
不安を払拭するために麻薬に逃避する人も多く、
釜山の売人イ・サンドは記録的な利益を上げていた。
サンドは起業家肌の売人で、自分では決して麻薬を使わない珍しいタイプ。
 
そんなサンドに目をつけたのが、刑事ト・ジングァン。
4年前、相棒を悪名高い麻薬王チャン・チョルに殺されたジングァンは、
釜山から麻薬を一掃するという目標を掲げ、そのためなら何でもする。
サンドに内通者として潜入させ、麻薬組織の一網打尽を狙うのだが……。
 
清廉潔白なイメージでファン・ジョンミン演じるジングァンを見ると、
なんだこの刑事はと思わされます。
酒癖悪く、事件で未亡人となった女にはすぐ手を出す。
そのせいで本作はR15+指定です(笑)。
ものすごく暴力的で、相手を半殺しにすることなどしょっちゅう。
サンドの弱みを握って彼からカネを巻き上げるし、
こんなの汚職警官となんら変わらない。
 
一方のサンドは、自分の叔父が麻薬に手を染めている。
ヌボーっとした爺さんのふりをして、実は「教授」と崇められる麻薬密造者。
叔父のもとで働いていた自分の母親を叔父のせいで亡くしました。
憎んでも憎みきれない相手なのに、身内ゆえ、どうしても見捨てられません。
 
ジングァンがあまりに嫌な感じなので、サンドが気の毒になってしまう。
ここにもまた出世を狙うお役人が登場して、
世の中こんなに腐っているのかと愕然とします。
あ、これも実話に基づいたフィクションだそうですから。
 
サンド役のリュ・スンボムは昭和の映画が似合いそうな顔つき。
フォーク歌手っぽいのです(笑)。
検索してもあまり顔写真は出てこないけど(見たい顔でもないですが(^^;)、
素晴らしい演技だったので、彼の出演作をほかにも観てみたいです。

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