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『バイオレント・ナイト』

2023年02月25日 | 映画(は行)
『バイオレント・ナイト』(原題:Violent Night)
監督:トミー・ウィルコラ
出演:デヴィッド・ハーバー,ジョン・レグイザモ,エディ・パターソン,カム・ジガンデイ,
   アレックス・ハッセル,アレクシス・ラウダー,ビヴァリー・ダンジェロ,リア・ブレイディ他
 
イオンシネマ茨木にて前述の『バンバン!』を観たあと、毎週火曜日の常、食パンを買いに
雪もしんしんと降ってきて、そのまま帰りたくなったけれど、
『ブラックナイトパレード』と勘違いして公開後しばらく見落としていた本作が気になり、
帰宅せずに109シネマズ箕面へと向かいました。21時半からのレイトショー。
 
監督はノルウェー出身、『セブン・シスターズ』(2016)のトミー・ウィルコラ。
デビュー作は『キル・ビル』(2003)をパロった『キル・ブル 最強おバカ伝説』(2007)でした。
ほかの作品もB級らしきタイトルが並んでいますが、いつも監督自身のオリジナル脚本。
ちょっとダーティな役が似合うデヴィッド・ハーバー。今回の配役は大当たり。
 
パブでべろべろに酔っぱらっているサンタクロースの格好をした中年男。
ほかの客から「サンタになって何年か」と問われ、「さぁなぁ。もう今年で辞める」とぼやく。
毎年この時期にサンタになるアルバイトだと誰しもが思っていたが、
実はこの中年男は正真正銘、本物のサンタ。
 
いつの頃からか、プレゼントのリクエストはゲーム機だったり現金だったり、
サンタとしては空しくなるものばかり。
とっととプレゼントを配り終えてしまおう、そう思って向かったのは、
女社長ゲートルード・ラインストーンとその親族が集まる凄まじき豪邸。
 
ところが、サンタが到着したときには血も涙もない強盗団が侵入済み。
金の在処を知っているとおぼしき親族だけが生かされていたが、
執事ボディガードも使用人という使用人はすべてすでに殺害されていた。
強盗団はクリスマスパーティのために雇われた業者になりすましていたのだ。
 
とっとと逃げようとしたサンタだったが、ゲートルードの孫娘トルーディからトランシーバーで連絡を受ける。
トルーディはサンタの存在を信じる唯一の娘で、“良い子リスト”に載っている。
彼女を放っておくのはさすがに良心が痛み、意を決して現場に戻ったサンタだったが……。
 
冒頭のシーンから最高です。
本物のサンタなんているわけがない。そう思っていたのに、パブの女主人が「これ、お孫さんのミッキーに」なんて言われる。
店を出て屋上に上がろうとするサンタ姿の男を追いかけたら、トナカイに乗って空を走ってゆくではありませんか。
女主人とともに私も感激していたら、空から降ってくるサンタのゲロ(笑)。
 
酒を手放せないアル中だし、トナカイに悪態はつくし、ちっとも頼りになりそうじゃない。
しかし、どんな理由でサンタになったのか、悲しい過去があるみたい。
千年以上も生きてきて、きっと死ぬことはない彼が人生に投げやりになっている。
そんなとき、自分を信じてくれているトルーディに出会い、なんとかしなきゃと奮い立つ。
 
ま~、とにかく殺し方が残酷なので、R15指定もごもっとも。
だけど、ジョン・レグイザモ率いる強盗団のメンバーがばったばったとへろへろのサンタにやられるのは痛快。
サンタだなんてもちろん信じていない悪党どもも、
教えてもいない実名で呼ばれたり、子どもの頃の話をされたりして、
「もしかしてこいつ本物のサンタ?」と思いはじめる表情も可笑しい。
『ホーム・アローン』(1990)のパロディもしっかりと。
 
観に行ってよかった。えげつないけど、めちゃめちゃ楽しい。大好き!

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