夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

最近、ちょっぴり和んだ本(その1)

2013年05月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
手の状態が最悪のときは、頁もめくれない、その前に読む気もしない。
で、あんまり読めなかった本。

4月は3月の不足分を取り戻すべく読書にいそしみましたが、
やはりまだ本調子とは言えないので、
京極夏彦のような、持つのも大変そうな分厚い本は読めません。
また、心が折れそうなツライ話もしんどいので、
わりとしゅしゅっと読める本ばかりを選んでいます。

先月初めて出逢った著者は、瀧羽麻子(たきわあさこ)なる作家。
私はどうも女性作家より男性作家のほうが好きなようで、
しかも年代が近い作家のほうがピタッとくるような気がしていましたが、
ここ最近はそれも当てはまらないと考えを改めつつあります。

タイトルに惹かれて購入した『うさぎパン』。
小中高一貫のお嬢様学校を離れて、男女共学の高校へと進学した優子は、
登校初日の自己紹介時に、緊張のあまり、好きなものを問われて「パンです」と答えてしまいます。
普通は趣味や特技辺りを答えるよねと自己嫌悪に陥りかけたとき、
人気者とおぼしき富田くんが「はい!僕もパンが好きで~す」。
学校帰りにパン屋めぐりをすることになるふたり。
そんな折り、優子の目の前に亡くなった母の幽霊が現れて……。

優子と暮らす温かな継母ミドリさん、家庭教師の美和ちゃんとその彼氏、
どのキャラもほんわかしていて和みます。

同著者のもう1冊は『株式会社ネバーラ北関東支社』。
東京の証券会社を辞めて、田舎の納豆メーカーに転職した弥生。
ネバネバだからネバーラかと思ったら、まさかのネバーランドに掛けての会社名。
たいしてやる気も起こらず、ゆるゆるとした生活を送るつもりが、
同僚の沢森くんのひと言が弥生の心に火をつけます。
やがて会社が乗っ取られるとの噂を聞き、
そうはさせてなるものかと弥生たちは新企画を練り始めるのですが……。

これも『うさぎパン』と同様、キャラが魅力的。
特に大阪出身で駅前の居酒屋を一人で切り盛りする桃子さんの頼もしいこと。
「恋愛はな、とにかく押しや、押しの一手や!押してだめなら、もっと押す!」。

「どんなひとにも人生が手に負えなくなるときはある。
 そして、そのときに休むのは正しい」。

そんな言葉も優しく。
いずれも数時間でサラッと読めます。

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