夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』

2018年01月25日 | 映画(ま行)
『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』
監督:志水淳児
声の出演:森久保祥太郎,茅野愛衣,上坂すみれ,関俊彦,小清水亜美,
     森田順平,朴路美,藤原啓治,石塚運昇,宮迫博之他

命を削るような映画鑑賞スケジュールを立てないのが今年のモットー。
前週末に公開になった作品2本を梅田で観るつもりだったけれど、
もっと体に優しいスケジュールにするため、TOHOシネマズ伊丹へ。

梅田でなら効率よいハシゴができそうだった2本が伊丹では無理。
仕方がないから1本はあきらめて、スルーしかけていた本作に変更。

ちょうど『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2015)をDVDレンタルして観たばかり。
これはとても観たかったのに劇場で観逃したイタリア作品。
永井豪は世界各国で大人気、“鋼鉄ジーグ”もイタリアでTV放送されていたそうで、
作品中にイタリア語に吹き替えられたTV版が登場します。
非常に面白かったから、“マジンガーZ”も観ておかなければと思い。

スーパーロボット“マジンガーZ”とそれを操る兜甲児の活躍により、
悪の天才科学者ドクター・ヘルの野望を粉砕してから10年。
伝説のパイロット甲児は科学者の道へと進み、
光子力研究所でさまざまな研究に打ち込んでいる。

そんなある日、富士山地中に超巨大遺跡インフィニティを発見。
インフィニティ中で眠っていた人間型ロボットのリサは、
覚醒して初めて会う人間となった甲児をご主人様と認識する。

やがて、死んだはずのドクター・ヘルが復活を遂げ、
あらためて世界征服を目論んでいることがわかる。
絶体絶命の危機に陥った人類を救うため、甲児は飛び立つのだが……。

TV放送されていたのが1970年代初め。
私が観ていたとしてもおかしくはない時代なのですが、ほとんど記憶になし。
やはり男の子向けだったのでしょうか。
ゆえにほとんど予備知識なく、もしかすると最初から爆睡かもと懸念。
案の定、途中睡魔に襲われた箇所が少々ありましたが、それ以外は思いのほか面白い。

最後は涙まで出そうに。
弱いんですよねぇ、一般人が主人公を助けようとみんなで行動するやつ。
観れば必ずボロ泣きの『サマーウォーズ』(2009)なんかもそうでしょう。
まさか“マジンガーZ”でもそんなことになるとは。

こうして見ると、世界で人気なのもわかります、永井豪。
わかりやすくて、健康的なお色気もあって、誰でも楽しめる。

最初に登場する車のナンバーが「永井50 だ1379」でした。
つまり、「永井豪、ダイナミック」(永井豪率いるプロダクションが「ダイナミックプロ」)。
こういうお遊びを発見するのも楽しいんですよねぇ。

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『キングスマン:ゴールデン・サークル』

2018年01月23日 | 映画(か行)
『キングスマン:ゴールデン・サークル』(原題:Kingsman: The Golden Circle)
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース,ジュリアン・ムーア,タロン・エガートン,マーク・ストロング,
   ハル・ベリー,ジェフ・ブリッジス,エルトン・ジョン,チャニング・テイタム他

「今年は無理のない映画鑑賞」と謳っておきながら、
すでに無茶をしている今年初の劇場鑑賞。
梅田で『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 後編』
阿倍野で笑福亭たま新春独演会→梅田に戻って『嘘八百』→本作。
だいぶへろへろ、息も絶え絶え。同じくTOHOシネマズ梅田にて。

とっても楽しかった『キングスマン』(2014)の続編。
前作で序盤にあっけなく脳みそを吹っ飛ばされていたマーク・ハミルは、
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で活躍するも、
脳みそなくなったんじゃ、こっちの続編には出番なく。当たり前か。(^^;
今回はダイアー・ストレイツの“Money for Nothing”では始まらない。
でものっけからワクワク。お客さんもよう入ってます。

“キングスマン”はロンドンのサヴィル・ロウ(=名門紳士服店が集中する通り)にある、
一見高級テーラー、その実、地下に本部をおくスパイ機関。
どこの国にも属さないキングスマンが、ある日、攻撃の標的になり壊滅する。
犯人は、世界的麻薬組織“ゴールデン・サークル”の女ボス、ポピー。

エージェントのエグジーは、恋人でスウェーデン王女のティルデと、
彼女の両親のもとで会食中だったおかげで難を逃れるが、
ティルデと暮らしていた自宅も愛犬も失う。
現場にいたエージェントのうち、無事だったのはメカ担当のマーリンのみ。

エグジーとマーリンはアメリカに渡り、同盟組織“ステイツマン”に協力を求める。
するとそこにはエグジーの恩師で、前作で死んだはずのハリーがいた。
ステイツマンのエージェントたちによれば、ハリーは記憶喪失。
自分は蝶の研究者だと信じ込み、キングスマン時代の記憶が欠けているらしい。

一方、ゴールデン・サークルはとんでもないウイルスをばらまいていた。
解毒剤を入手するため、エグジーらは奔走するのだが……。

この続編も相当グロいです。人間がミンチにされたりもして(泣)。
でもやっぱり楽しい作品。
本作で大出世したエグジー役、タロン・エガートン
マーリンにかっこいいハゲのマーク・ストロング
記憶喪失の間は頼りないハリーにコリン・ファース。ここまでは前作と同じキャスト。
加えて、ステイツマンのエージェントに、ハル・ベリーペドロ・パスカル
そしてほとんど活躍しないチャニング・テイタム(笑)。
彼らのボスにジェフ・ブリッジス
ゴールデン・サークルのサイコな女ボス、ポピーにはジュリアン・ムーア
豪華キャストに違わず楽しませてくれます。

何よりも可笑しいのは本人役で登場するエルトン・ジョン。
不気味にお茶目なキャラで、周りもご本人もさぞかし楽しかったことでしょう。

たぶん、3Dとか4DXで観ても楽しいと思います。
続編もありでしょ。

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『嘘八百』

2018年01月22日 | 映画(あ行)
『嘘八百』
監督:武正晴
出演:中井貴一,佐々木蔵之介,友近,森川葵,前野朋哉,堀内敬子,坂田利夫,
   木下ほうか,塚地武雅,桂雀々,宇野祥平,寺田農,芦屋小雁,近藤正臣他

今年は心身共に無理のない映画鑑賞をすると誓ったところですが、
前述の『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 後編』を観たあと、
地下鉄谷町線に乗車、阿倍野駅から徒歩すぐの阿倍野区民センターへ。

昨年末、高校時代のクラブの忘年会で先輩方に話したんです。
寄席に行っても普通のお客さんみたいに笑えないんです」と。
「それはな、“落研ずれ”しとるねん」と先輩。
「ほなら、落研ずれしていても笑える噺家さんって誰ですか」と尋ねたら、
「たまちゃんはオモロイで。オモロイのはオモロイ」とのお返事。
オモロイのはオモロイ。すごく上手だという意味ではないと受け取りましたが、
落研ずれしていても笑えるのなら、一度は聴いてみなくては。
で、笑福亭たまさんの新春独演会のため、阿倍野へ向かったのでした。

マクラは涙が出るほど笑い、たまさんの落語はまた聴こうと思いました。
それはよかったのですけれど、普通、寄席って2時間かそこらですよね。
13時開演だったから、15時か、遅くとも15時半には終わるやろと思ったら、
なんと冗談のようなほぼ3時間。
寄席の後に映画を予約している私もどないやねんと思うけど、ぜっんぜん間に合わん。
TOHOシネマズ梅田で発券済みだった本作を25分ほど観のがすはめに。
めっちゃ面白かったらもう一度観てもいいしと、あきらめ気分で入場しました。

そんなわけで、冒頭なにがあったかはわかりませんが、
たぶんたいしたことは起きていない模様。

古物商・小池則夫(中井貴一)は、娘・いまり(森川葵)を連れて、
千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺へ。
陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)から、蔵に眠る古物の買い取りを頼まれる。
その中に逸品をみつけた則夫は、佐輔にそれを明かさず、
古物まとめて100万円で買い取ったところ、
佐輔を騙したはずの自分こそが騙されていたと知る。

憤る則夫が佐輔の家まで押しかけると、
そこには佐輔の妻・康子(友近)と息子・誠治(前野朋哉)のみならず、いまりまでがいた。
誠治といまりはすっかり親しくなり、どうやら本気で恋しているらしい。
康子からすき焼きでもてなされ、気がつけば酔っぱらって撃沈。

やがて則夫と佐輔は、同じ相手から煮え湯を飲まされた経験があるとわかる。
その相手とは古美術店店主・樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士・棚橋(近藤正臣)。
佐輔の腕を見込んだ則夫は、樋渡と棚橋に仕返しをしようと考える。
佐輔がつくった茶碗を千利休の作だと偽り、樋渡らに贋物をつかませるのだ。
ついでに一攫千金も狙うため、佐輔の仕事仲間に協力を依頼、準備を進めるが……。

私の2015年のベスト1、『百円の恋』武正晴監督の作品。
このキャストですから楽しくないはずがない。
仕事仲間は坂田利夫木下ほうか宇野祥平ですし。
ついでに阪神タイガースファンならなお楽し。
木下ほうか演じる居酒屋店主の店はタイガース一色。

『百円の恋』に比べると、一気にメジャー化した印象。
その分、一般受けする要素は増えたけれど、
マニアックな楽しさも切なさも控えめといったところでしょうか。

最初の25分を観のがしながらも楽しませてもらいましたが、
その25分を観るためにもう一度は観なくていいかなぁ。

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『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 後編』

2018年01月21日 | 映画(な行)
『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 後編』
監督:加藤肇
出演:ナオト・インティライミ

ここからがやっと、今年観た作品。
一昨年、昨年と、映画を観る時間があるときには必ず映画を観てきましたが、
もう歳も歳なので、それがなかなかにキツイ。
昨年は結膜炎にかかっていたり貧血を起こしたりしていながらも劇場へ行き、
命を削って観ている感がありましたから、今年はそんなことは止め。
無理はせずに心身共に余裕を持って映画鑑賞に臨みます。ホンマか!?(笑)

『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』はレンタルDVDで、
『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 前編』はフリーパスで鑑賞。
さして興味もなかったナオト・インティライミを好きになってしまい、
本作は普通にお金を払って鑑賞。十二分にその価値があります。
TOHOシネマズ梅田にて。

前編に続いて彼が巡るアフリカ大陸、まずはセネガル。
コートジボワールで乗り継いで、マダガスカル、ガーナ、
南アフリカに寄り、ルーマニア、ドイツ、そしてアメリカへ。

民族楽器が並ぶ市場でふっかけられて、値切る交渉をしたり、
現地の人に打楽器ジェンベや弦楽器バリハの演奏方法を教えてもらったり。
傑作だったのはコートジボワールの空港内。
どこへ行ってもCDを買い漁る彼ですが、空港内にはCDショップがない。
CDがほしいんだという彼を追い払う店員もいれば、
ならば空港の外に誰かに買いに行かせてやるという店員も。
で、本当に買ってきてくれるんですよね。

ガーナの奴隷博物館近くでは、移民管理局のいわばお役人に拉致監禁され、
賄賂を請求されます。現金を渡すか、昼飯を奢るかしろと。
同行するスタッフがいるでしょうに、人任せにすることなく、
トラブルを自力で乗りきろうとする姿もいい。

ひとたび村に入れば、彼はいつも子どもたちに取り囲まれます。
ボールを蹴って村人たちの中に溶け込み、最後は歌で恩返し。

『旅歌ダイアリー』を観ると、彼の音楽もさることながら、
ナオト・インティライミの人柄に魅了されます。
そして一度はコンサートに行ってみたくなる。
きっとものすごく楽しいだろうなぁと思います。
“Catch the moment”、私も一緒に歌いたい~!

ところでなんで関西弁が上手いのかと思ったら、三重県出身なのか。
より親近感が湧きました。

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『チャルカ 未来を紡ぐ糸車』

2018年01月19日 | 映画(た行)
『チャルカ 未来を紡ぐ糸車』
監督:島田恵

ナナゲイで3本ハシゴの3本目。
これが2017年最後に観た作品でした。

青森県六ヶ所村。
監督はここで十数年間を過ごしたそうです。
本州の最北、下北半島の付け根にある村で、人口は1万1千人。
核燃料サイクル基地として、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、再処理工場から成る4つの施設があります。

チャルカとはインドの手紡ぎ機「 糸車」のこと。
インド独立の父ガンジーが人々が生きて行くためには自給が大事なのだと説き、
自ら手で紡ぐことを勧めたそうです。
六ヶ所村で自給自足を実践する住民にも取材。
核燃問題に取り巻かれつつも、この村で生きていこうとする人々。

本作では六ヶ所村のみならず、核のゴミ捨て場となっている国内外の各地を訪ね、
核のゴミを地球の未来に残してもよいのかどうかを問うています。

施設ができれば雇用が生まれる。
賛成派と反対派が必ず存在して、亀裂も生まれる。
自分たちの死んだあとのことなど知ったことではない、
今さえよければと思いがち。実際のところ私だってそう。
でもそれではいけないんだろうなぁとこういう作品を観るたびに思うのですけれど。

ナナゲイは、いろんな問題を提起してくれる劇場です。
これまでも、これからも。

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