雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

清楚な姿 ・ 心の花園 ( 39 )

2013-04-17 08:00:59 | 心の花園
          心の花園 ( 39 )

             清楚な姿


心の花園の「オダマキ」が花を付け始めました。なかなか清楚な姿でしょう?

「オダマキ」はヨーロッパやアメリカ原産のものなど、たくさんの種類があります。
わが国原産のものとしては、ミヤマオダマキとヤマオダマキの二種類があって、山地から高山にかけて自生しています。現在でも山野草として愛好家は多いそうですが、私たちが園芸店などで見るものは、アメリカ原産のものを交配改良したものがほとんどのようです。

「オダマキ」の花言葉は「愚か」です。
この清楚な花に対して、どうしてこのような花言葉が付けられたのか不思議に思い調べてみますと、「イギリスではコロンバインという名前で呼ばれているが、ヨーロッパの道化芝居に登場する娘の名前で、その娘が持っている杯の形がこの花の姿に似ている」ことから生まれた花言葉だそうです。
ゆわれはともかく、「愚か」というのはどうもしっくりときません。

わが国の「オダマキ」という名前は、漢字で書けば「苧環」となりますが、これは、機織りの際に使われる麻糸を巻く中が空洞になっている糸巻のことで、その形が花の姿と似ていることからきています。
こちらの方はたんに似ているだけで、特別に秘められた物語などないようですが、連想される物語はあるのです。

その昔、吉野で義経と別れた静御前は捕らえられ、鎌倉に送られました。
踊りの名手として知られた静御前の舞を一目見んものと、頼朝に再三所望され、ついに堪えられず静御前は舞を披露することとなります。
この時静御前は義経の子を身籠っていましたが、悲しみに堪えながら義経を偲びながら渾身の舞を見せるのです。
 『 しづやしづ しづのをだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな 』
これは、花のオダマキを詠ったものではなく、糸巻の苧環に想いを託したものですが、この花には日本の「オダマキ」という名前は実に良い名前だと思われませんか。
なお、花言葉の中には、赤い花は「素直」紫の花は「断固として勝つ」というのもあるようです。
あなたは、どの花言葉を選ばれますか?
コメント
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