注目されていた米大統領選挙は、トランプ氏が圧倒的な強さを見せて勝利しました。
かなりの激戦が予想されていましたが、結果は、激戦州とされていた七つの州においても、全国の総投票数においても、トランプ氏が圧倒していて、予想以上に早く決着がつきました。
トランプ氏の勝利を受けて、日米共に株式市場は大きく上昇しました。これは、トランプ氏が勝利した場合のシナリオとして、市場では予想されていたことのようですが、こんなに上昇するほど良いことがあるのかと思わないでもありません。
おそらく、米国内においても、祝賀モードで大はしゃぎする人々を横目に見ながら、戦略の練り直しを考えている人も少なくないでしょうし、多くの国々の首脳方は、ある程度の覚悟はあったとしても、現実を目にして頭を抱えている人もいることでしょう。
きっと、わが国も同様なのではないでしょうか。
選挙制度は、民主主義政治の根幹をなす制度の一つだと思うのですが、国家により、時代により、様々に変化しています。
米国の大統領選挙もかなり個性があるように思われます。
また、二大政党による首班争いというのも大きな特徴です。英国もやはり二大政党による政権担当が続いていることもあってか、わが国でも、かなり熱っぽく二大政党論が語られた時期がありましたが、これまでのところ定着しそうな気配は薄いようです。
ただ、ここ数回の米大統領選挙を見ていると、どうも、国家を分断に導く可能性を感じてなりません。
米国にも、二大政党の他に多くの政党が存在しています。しかし、大統領選が始まる当初には、二大政党以外の候補者の名前を聞くことがありますが、数か月も経たないうちに、この二党の代表者を決める選挙戦に集約されています。
そこで、遅ればせながら、米国の共和党と民主党について勉強してみました。
民主党は、1828 年に第七代ジャクソン大統領の支持者たちによって設立された党で、現存している政党の中で世界で最古の歴史を有しています。
もともとは、独立宣言の起草者の一人でもある第三代ジェファーソン大統領が設立した民主共和党を母体としているようです。
主な大統領としては、第二次世界大戦を主導した第三十二代ルーズベルト大統領や跡を継いだトルーマン大統領がいますし、第三十五代ケネディ大統領は今も人気の高い人物です。
一方の共和党は、1854 年に、南部の奴隷制度に反対する北部の運動の連合体として結党され、1860 年に、第十六代リンカーン大統領を同党最初の大統領として誕生させています。第二次世界大戦後の第三十四代アイゼンハワー大統領も同党です。
このようにして誕生した両党ですが、設立当初は、民主党が保守的、共和党が進歩的とされていましたが、二十世紀の中頃にはこれが逆転して、現在では、民主党が進歩的、共和党が保守的とされています。
もっとも、多くの課題に対処していく政治の世界ですから、単純に何々的などと色分けするのは正しくないのでしょうが、現在の米国が、二大政党のそれぞれの支持者を中心に分断の危機にあることは多くの人が指摘しているところです。
もしかすると、これから四年間のトランプ大統領の最大の課題は、米国の最大の弱みになりつつあるこの危機を修正することではないでしょうか。
トランプ次期大統領には、その責務と、断行出来る可能性があると思うのです。
一方、わが国も政治的には混乱の時期に突入しつつあるような気がします。
その良し悪しはともかく、二大政党制など、遠い昔の話のような気がして、今は、「弱・弱・弱」の三すくみ政治になるのではと懸念しています。
何はともあれ、主義主張はともかく、現在のわが国にとって、経済・防衛など多くの点において米国軽視など出来るはずがないのですから、トランプ米国と対等とは言いませんが、きっちりと交渉出来る政権を作り、国民も支持出来る施策を進めてくれることを祈る気持ちで願っています。
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