雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

理想への道中 ・ 小さな小さな物語 ( 1817 )

2024-10-21 08:03:14 | 小さな小さな物語 第三十一部

昨日、期日前投票をしてきました。
まだ選挙戦は半ばといったところですし、真剣に検討したのかと言われますと、「イヤァー」と言うしかないのですが、考えが変るとも思えませんので、他の用事とも絡めて早々に投票することにしたのです。
当選挙区も、全国的に見れば、注目を集めている選挙区の一つですが、その注目を集めている論点をどの程度重視するのかとなりますと、なかなか難しいところです。
投票の仕方には大きく分けて二種類あると思っているのですが、その一つは候補者本人の人柄・資質といった面から選ぶことです。もう一つは、所属している政党なり団体なりの主義主張を考慮することに重点を置くことだと思うのです。
私は、どちらかと言えば後者の方で、立候補者本人を直接ではないとしても、かなり承知している場合は人物本位になりますが、そうでない限りは、その所属している政党なりを優先し、よほど好きになれない人物でない限り、所属団体優先になっているようです。

その政党なり所属団体なりといっても、公約や声高く述べられる演説などを聞いていますと、理想と現実の間には、やはり深くて長い乖離があるものだと思わせられます。
選挙期間中に無責任な発言は控えるべきだと思うのですが、例えば、石破首相が自民党総裁になる以前の発言と、就任後の発言にブレがあるのが指摘されていますが、いみじくもご本人も述べられていますように、「我が党は独裁政党ではないので、多くの人の意見を集約する必要がある」はずで、個人的な主張、理想論がそのまま政策として実行できるものではないはずです。
立憲民主党の野田代表も同様で、多くの政策はお持ちだとしても、いざ選挙となれば、政権交代と裏金批判に多くを割いているのは、現実を見ているからなのでしょう。

そもそも理想といっても、人様々ですし、政党や政治家の理想論となれば、実際に実行できるかといえば、多くの困難があるはずです。単に反対者がいるといった問題ばかりでなく、予算の問題、その目的遂行によって疎外されることになる事象など、理想を実現させることは簡単なことではないようです。
多くの場合は、理想は理想としておいて、現実に寄り添っていくうちに何の特徴もない政策になってしまう可能性があり、と言って、強引に推し進めようとすれば、その裏では泣く人が居り、ひずみが生れます。某県の知事などもその一例ではないでしょうか。
少々の犠牲者など無視して理想とする政策を進めるのか、遅々とした低飛行を続けながらも着実な改善を狙うのか、その辺りも、選挙の焦点になってもよいような気がします。

理想だ現実だなどと語ること自体、青臭く未熟の証明のような気もするのですが、かつて、「理想などというものは、額に入れるか、床の間に飾っておくものだよ」と豪語された方がいました。必要に応じて、時々は人目にさらして、自らの志操の高さを知らしめた後は、「権謀渦巻く修羅場を、実利という鉈を振り回して突き進むのが現実なんだよ」ということのようです。
まあ、そうした考えも理想の一つなのでしょうが、多くの一般庶民の一人としては、「理想は額に入れて飾っておく」あたりまでは容認するとしても、日々の生活においては、慎ましやかに、到達困難を承知しながらも、ゆっくりと歩を進め、その道中の風景を楽しむ程度の余裕は持ち続けたいものです。


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