雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

近うて遠きもの

2014-09-06 11:00:21 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第百五十九段  近うて遠きもの

近うて遠きもの。
宮祭。
思はぬ同胞・親族の仲。
鞍馬のつづらをりといふ道。
師走の晦の日・睦月の朔(ツイタチ)の日の程。


近いのに遠いもの。
みやのべのまつり。
薄情な兄弟姉妹や親族の仲。
鞍馬のつづら折といわれている道。
十二月の末日と、正月の一日との間。



ごく分かりやすいテーマです。
「みやべのまつり」というのは、正月と十二月の初午の日に行われる祭礼で、十二月から正月は近いが、正月から十二月は遠いという意味のようです。これなどは少納言さまの時代と現代とでは、「近くて遠い」の使い方は少し違うような気もします。
最後の例も、同じ一日でも、年が変わるという意味でしょうから、少し感覚が違う気もします。
中の二つは、現在でもそのまま使われている例といえましょう。

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