雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

思はむ子

2015-02-23 11:00:09 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第四段  思はむ子

思はむ子を法師になしたらむこそ、心苦しけれ。
ただ、木の端などのやうに思ひたるこそ、いといとほしけれ。
   (以下割愛)


大切な子を法師にした親は、気の毒なことです。
まるで、法師を木屑のように思う人もあり、たいへんかわいそうです。

精進物のまずいものを食べ、寝る場所もひどい。若い人は何にでも好奇心が強いものですし、女のいる所なども覗いてみたいと興味があるでしょうに、それさえも世間は非難するのです。
まして、修験者などはさらに厳しいようです。難しい祈祷などで体力を使い果たし、うとうとでもしようものなら、「いねむりばかりして」と、悪口を言われます。窮屈で、辛いことでしょうね。

もっとも、これは昔のことで、今では、ずっと気楽なもののようですよ。



若い法師の修行や生活に同情し、意外な面までも理解を示されている少納言さま。
ただ、最後に一言、「これは昔のことで今の法師生活はとても気楽だそうだ」ですって。  
もしかする少納言さま、一言多いお姉さまかな?  

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