雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

一つの時代

2018-12-23 18:23:50 | 日々これ好日
        『 一つの時代 』

     天皇陛下の会見 感慨ひとしお
     お言葉の一つ一つが 時代の一コマ一コマのように・・・
     平成という 一つの時代が 過ぎ去ろうとしている

                       ☆☆☆
     
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ゆず湯に入って

2018-12-22 18:35:11 | 日々これ好日
        『 ゆず湯に入って 』

     温かな冬至
     当地は 朝からしとしと 優しい雨が降ったり止んだり
     暖かくても 冬至は冬至
     ゆず湯に入って 年賀状を書いて
     年の瀬の足音が 近づいてくるような・・・

                      ☆☆☆
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どんでん返し

2018-12-21 19:20:08 | 日々これ好日
        『 どんでん返し 』

     日産自動車を巡る事件
     前会長が保釈と報道されていたが 再逮捕となった
     どんでん返しに 驚いたが
     同様の容疑で拘留を続けるより ずっと分かりやすい
     ただ 国際的にも注目されている事件だけに
     明快な捜査と 公平な裁判を期待したい

                   ☆☆☆
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平成最後の・・・

2018-12-20 19:04:21 | 日々これ好日
        『 平成最後の・・・ 』

     「平成最後の ✖✖✖ 」という言葉を よく見るようになってきた
     元号変更には まだ大分日数があるが
     年の瀬ということで 年次行事が 例年以上に感慨があるようだ
     そこで 自分にとっては? と考えてみると・・・ 見当たらず
     せめて とばかりに 今年最後の 散髪に行きました  

                        ☆☆☆
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切ない恋

2018-12-20 08:21:20 | 私の好きなフレーズ
   『 切ない恋が渦巻く初春でございます。 』


姫さまは、
「 知られじな 思ひ乱れて 夕煙 なびきもやらぬ 下の心は 」
と、ご返歌されたようです。
御所さまのお心に従わず思い悩んでいるあたしの心に、お気づきにならないのですね、とのご返事なのでしょうが、姫さまも恋する人には一人前の女性になるのでしょうか。
御所さま二十九歳、雪の曙殿二十三歳、そして二条の姫君十四歳の、切ない恋が渦巻く初春でございます。


                     ( 「二条の姫君」第一章(六)より )
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パンジーに決めました

2018-12-19 18:52:53 | 日々これ好日
        『 パンジーに決めまた 』

     花壇の一画が空いていて 年内に何か植える計画をしていた
     パンジーにするか ビオラにするか スミレにするか
     さんざん迷う
     家人曰く 「どれでもあまり変わらないと思う」
     いえいえ ここは 迷うところ
     結局 バンジーに決めました

                     ☆☆☆
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100兆円

2018-12-18 19:36:39 | 日々これ好日
        『 100兆円 』

     来年度予算案 一般会計総額が100兆円を超えるとか
     税収も バブル期を超える見込み
     それでも 国家会計の健全化への道筋は 全く見えない状態
     少子高齢化など 対応困難な理由があるとしても
     何とか手段を 見つけ出してほしいものだ

                        ☆☆☆
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今昔物語 巻十三  ご案内 

2018-12-18 14:05:49 | 今昔物語拾い読み ・ その3
          今昔物語 巻十三  ご案内

     巻十三は、全体の中の位置付けとしては、本朝付仏法にあたります。
     主として法華経霊験譚といった内容で、全部で四十四話が掲載されています。
     宗教として、あるいは現代の倫理などにはあまり拘らず、読み物として楽しみたいと思います。
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大峰山中の聖人 ・ 今昔物語 ( 13 - 1 )

2018-12-18 14:03:09 | 今昔物語拾い読み ・ その3
          大峰山中の聖人 ・ 今昔物語 ( 13 - 1 )

今は昔、
仏の道を修行して歩く僧がいた。名を義睿(ギエイ・出自不詳。薬師寺の僧に同名の人物がいるが別人らしい。)という。
諸々の山を廻り、海を渡り、諸国に行ってあちらこちらの霊場に参って、修行を積んでいた。

ある時、熊野に参詣し、そこから大峰という山を通って金峰山(ミタケ・きんぷさん)に参詣して退出する時、山の中で道に迷い方角が分からなくなってしまった。そこで、仕方なく、法螺貝を吹き鳴らし、その音で道を尋ねようとしたが道を見つけることが出来なかった。
そこで、山の頂に登って四方を見てみると、どちらを見ても遥かに深い谷ばかりであった。このような中で、十数日苦しみ続けた。嘆き悲しんだ末、義睿は日頃信仰奉っている本尊仏に人里に出られるように祈請した。すると、いつか平坦な林に出た。その中に一軒の僧房があった。すばらしい造りで、破風・懸魚(ケギョ・棟木の端を隠すための装飾)・格子・遣戸・蔀・簀(ス・ここでは簀の子、濡れ縁)・天井などどれも立派に造られている。前の庭は広く、白砂がまいてある。前栽にはたくさんの木々が隙間なく植えられており、諸々の花が咲き実がなっていて、美しいことこの上ない。

義睿はこれを見てたいへん喜び、近くに寄ってみると、僧房の中に一人の僧がいた。年はわずか二十歳ばかりである。
法華経を読誦している。その声はこの上なく貴く、身にしみるようである。見れば、法華経の一の巻を読み終わり、それを経机に置くと、その経は空に躍り上がり、軸から表紙まで巻き返し、紐を結んで、もとのように机に置かれた。このようにして、巻ごとに巻き返しつつ法華経一部を読み終えた。
義睿はこの様子を見て、怪しくも貴く、そして恐ろしく思っていると、この聖人が立ち上がった。義睿を見つけると、不思議そうな顔つきで、そしてひどく驚いた様子で、
「ここには、昔から今まで、人が来たことがない。山は深く、谷の鳥の声さえまれにしか聞こえない。まして、人がやってくることなど全くないのに、いったいどなたが来られたのですか」と尋ねた。
義睿は、「私は仏の道を修行するためにこの山を通っていましたが、道に迷ってきてしまったのです」と答えた。
聖人はそれを聞くと、義睿を僧房内に呼び入れた。見ると、容姿端正な童がすばらしい食事を捧げ持ってきて食べさせた。
義睿はこれを食べると、このところの飢えがすっかり直って、満ち足りた気持になった。

義睿は聖人に尋ねた。「聖人はいつ頃からここに住んでおられるのですか。また、どうしてこのように何でも思うように(なるのですか)[ 末尾部分は欠字になっている  ]」と。
聖人は、「私はここに住んで、はや八十年余りになります。私はもとは比叡山の僧です。東塔の三昧の座主(サンマイノザス・第十七代天台座主喜慶)という人の弟子でした。ちょっとしたことがあって、師が私を勘当なさったので、愚かにも私は比叡山を去って、気ままに流浪を続け、若く元気な頃は在所を定めず、あちらこちらと修行して歩き、年老いてからはこの山に足を留めて、永らく死期を待っているのです」と答えた。
義睿はこれを聞いて、ますます「怪しいことだ」と思って、尋ねた。「誰も訪ねて来ないと言われましたが、端正な童子が三人お付きになっています。聖人のお言葉は納得できません」と。
聖人は答えた。「経に、『天諸童子 以為給仕』(テンショドウジ イイキュウジ・・法華経の中の一部分で、法華経の持者に対しては、天界の諸天が護法童子として奉仕し、身辺の世話をする。)と説いています。何も怪しむことではありません」と。
義睿はさらに、「聖人は、『老いぼれだ』と言われましたが、お姿を見れば若々しく見えます。これも、私をだまそうとしているのですか」と尋ねた。
聖人はそれに答えて、「経に、『得聞是経 病即消滅 不老不死』(トクモンゼキョウ ビョウソクショウメツ フロウフシ・・法華経の中の一部分で、この経を聞くことが出来れば、病はたちまち消滅して、不老不死の身となるであろう。)と説いています。決して嘘ではありません」と言った。

その後、聖人は義睿に早く帰るように勧めた。義睿は嘆いて、「私は何日も山中で迷い、方角は分からず、心細い上に身体も弱っていて、とても歩けそうにもありません。どうか、聖人のお力添えをいただいて、ここでお仕えさせていただきたく思います」と申し出た。
聖人は、「私はあなたを嫌うわけではありません。しかし、ここは、人間の俗世界から離れて、長い年月を経ています。それゆえに、帰るように強く申し上げるのです。けれども、今夜もしここに留まろうと思われるなら、決して身体を動かさず声を出さないで、静かに座っていなさい」と答えた。
義睿はその夜はそこに留まり、聖人の言葉に従って、静かにそっと座っていた。

初夜(午後八時頃)の頃、にわかに微風が吹き始め、ただならぬ様子になってきた。
義睿が戸の隙間から見てみると、様々な怪物のような姿をした鬼神共が現れ出て来た。ある物は馬の頭の姿、ある物は牛の頭の姿、ある物は鳥の首、ある物は鹿の形、等々多くの鬼神が現れ出てきて、それぞれ香花を供養し、果物や飲食物等を捧げて、前の庭に高い棚を設えて、その上にみな供えて、礼拝し合掌して順に座った。
その中の第一の上位者が、「今夜はどうも怪しい。いつもと違って、人間の気配がする者がいる。何者がやって来たのだ」と言うのを聞いて、義睿はどきりとして身体が震えた。
一方、聖人は願を立てて、法華経を夜もすがら読誦し続けていた。
夜が明ける頃になって、回向して後、この怪物共は皆帰って行った。

その後義睿はそっと出て行った。そして、聖人に会って、「今夜の怪物共は、いったいどこから来たのですか」と尋ねた。聖人は、「経に、『若人在空閑 我遣天竜王 夜叉鬼神等 為作聴法衆』(ニャクニンザイクゲン ガケンテンリュウオウ ヤシャキジントウ イサチョウボウシュ・・法華経の中の一部分で、もしも法華経を聴聞する人がいないならば、私は諸天・竜王・夜叉・鬼神等を遣わして、聴聞の衆としよう。)」とだけ言った。

その後、義睿は「帰ろう」としたが、行き方が分からない。聖人は、「速やかに南に向かって行きなさい」と教えて、水瓶(スイビョウ)を取って濡れ縁に置いた。
すると、水瓶はひとりでに濡れ縁から踊り下りて、ゆっくりと飛んでいく。義睿はその後を追って行くと、二時(フタトキ・約四時間)ほどで山の頂に出た。山頂に立って麓を見下ろすと、大きな里が見えた。そこまで来ると、水瓶は空に飛び上がって見えなくなってしまった。聖人のもとに返ったと思われる。
義睿はついに村里に出ることが出来、涙を流して深山の持経仙人(ジキョウセンニン・法華経を修得した仙人、と言った意味か。)の様子を語った。これを聞く人は、みな頭を垂れて尊んだ。

真(マコト)の心を有する法華経の持者には、このような事があるのである。
その後、今に至るまでその所に行った人はいない、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆



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比良山の仙人 ・ 今昔物語 ( 13 - 2 )

2018-12-18 14:02:17 | 今昔物語拾い読み ・ その3
          比良山の仙人 ・ 今昔物語 ( 13 - 2 )

今は昔、
葛川という所に籠って修行する僧がいた。
穀物を断って山菜を食って、何か月も熱心に修行をしていたが、ある時、夢の中に気高い僧が現れて、「比良山の峰に仙人がおり、法華経を読誦している。お前は速やかにその所に行って、その仙人に結縁(ケチエン・仏道に縁を結ぶこと。)するが良い」と告げた。
夢が覚めたあと、すぐに比良山に入って尋ねたが、仙人の姿はなかった。

何日も何日も捜し回っていると、遥か遠くから法華経を読む声だけが微かに聞こえてきた。その声は貴くて、例えようもないほどである。
僧は喜んで、その声を尋ねてあちらこちらと走り回ったが、経の声だけが聞こえて、声の主の姿は見つからなかった。力の限りを尽くして終日探し求めていると、岩の洞窟があった。傍に大きな松の木があった。その木は笠のような形をしている。洞窟の中を見ると、一人の聖人が座っていた。
その身体には肉がなく、ただ骨ばかりである。青い苔を着物にしている。
その聖人が僧を見て言った。「どなたが此処に参られたのか。この洞は、未だ誰も来たことがないような所なのだ」と。
僧は、「私は葛川に籠って修行している僧です。夢のお告げにより結縁のために参ったものです」と答えた。
仙人は、「そなたは、しばらくは私に近付かず、遠く離れて居りなさい。何とも、人間臭い煙が目に染みて、涙が出て堪え難い。七日経ってから近付いて来るがよい」と言った。

そこで、僧は仙人に言われたとおり、祠より一、二段(10m~20m程か)ほど離れて、宿ることにした。
その間、聖人は昼夜分かたず法華経を読誦し続けた。
僧はこれを聞いていると貴く有難く、「無始(ムシ・限りなく遠い過去)以来の罪障が消えていくかのようだ」と思った。そして、見てみると、多くの鹿・熊・猿やその他の鳥獣たちが、それぞれ木の実を持ってきて、仙人に供養し奉っている。すると、仙人は一匹の猿を使いにして、木の実を僧の所に届けさせた。
このようにし、七日が過ぎたので、僧は仙人の洞に詣でた。

すると、仙人は僧に語った。「私は、もとは興福寺の僧です。名は蓮寂(レンジャク・出自等不詳)といっていた。法相大乗の学者として、法相宗の法文を学び親しんでいた頃、法華経を見奉ったところ、『汝若不取 後必憂悔』(ニョニャクフシュ ゴヒツウケ・・法華経の中の一部分で、もしも汝が法華経を取らなければ、後に必ず後悔するだろう。)という文を見て以来、はじめて菩提心(ボダイシン・悟りを開いて往生を願う心)をおこしたのだ。そして、『寂寞無人声 読誦此経典 我尓時為現 清浄光明身』(ジャクマクムニンジョウ ドクジュシキョウデン ガニジイゲン ショウジョウコウミョウジン・・法華経の中の一部分で、静寂で人声一つしない所で、この経典を読誦すれば、我(釈迦)はその時に、清浄で光り輝く身をあらわそう。)という文を見て以来、永らく興福寺から離れて、山林に入って仏道を修行し、功徳を重ねて、おのずから仙人となり得たのだ。今、前世からの因縁によりこの洞に来ている。人間界を離れてからは法華経を父母とし、戒律を身の防護として、一乗(イチジョウ・唯一の乗物という意味。つまり、一切衆生を迷い(此岸)から悟り(彼岸)へ運ぶ乗物。)を眼(マナコ)として遠くの物を見ることが出来、慈悲を耳として諸々の音を聞くことができる。また、心の中で一切のことを知ることができる。
また、兜率天(トソツテン・天上界の一つで、内院には弥勒の浄土があり、外院はその眷属の天人の遊楽の場所。)に昇り、弥勒菩薩にお会いしたり、また、様々の所に行って聖者に近付いたりする。恐ろしい悪魔も私には近寄らない。恐ろしい災厄もその名を聞くこともない。仏を見、法を聞くことは思いのままである。
また、この前にある松の木は笠の如くして、雨が降っても祠の前には雨が来ない。暑い時には陰をつくり、寒い時には風を防いでくれる。これらのことも又、自然にそうなっているのだ。
そなたがここに尋ねて来られたのも、前世からの因縁がないわけでもない。さすれば、そなたはここに住みついて、仏法を修行するがよい」と。

僧は仙人の言葉を聞いて、仙人を敬うとともに、その生き方を好ましいことだと思ったが、とても修行に堪えられる身ではないと思い、礼拝恭敬して帰って行った。
仙人の神力を以て、その日のうちにもとの葛川に帰り着いた。この話を、志を同じくする僧に詳しく語った。話を聞いた僧も、尊ぶことこの上なかった。

誠の心を込めて修行する人は、仙人になることかくの如し、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆

 
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