マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、下三橋のノガミさん

2009年08月02日 08時42分03秒 | 大和郡山市へ
下三橋の田んぼは先月末に村のタコダ池(池の傍らからは平城京十条坊跡が発掘された)から水を引いて田植えが始まりました。

かって二毛作だった田んぼにはハダカムギやコムギを耕作されていました。

戦後にイチゴを栽培するようになってムギは作らなんようになったといいます。

ハダカムギは五月、六月にコムギを刈り取っていた時期は「ムギ秋」と呼んでいたと仰る二人。

ナスの出荷が忙しいのだと、お参りを済ませると足早に立ち去っていきました。

下三橋の田んぼは五月初めに苗代を作ります。

田植えを終えたあとの田んぼの水は、6月の夏至のころに広大寺池から分水を受けて流してもらいます。

苗床ができあがると水口に春日大社でたばってきた松苗とお花を供えます。

佐保川から東側は横田町辺りまで広大な春日大社の領地でした。

これらの地域では水口に春日大社の松苗を多く拝見することができます。

春日さんとの関係は年末に祭礼される若宮のおん祭りにもあります。

下三橋町では稗田町と隔年でおん祭りの郡山藩時代行列に参加されています。

Oさんも甲冑装束になってお渡りをしたそうで、その時の感触を懐かしそうに話されました。

ところで、ノガミさんを参ったもう一人の方は、田んぼを見下ろして野の上にあるから「野上」さんと言った。

ノガミの字には野神や農神を充てられていますが初めて耳にする「野上」さんに興味を引かれます。

(H21. 6. 5 Kiss Digtal N撮影)

下三橋のノガミさん

2009年08月02日 08時38分35秒 | 大和郡山市へ
暁の時間を迎えるころ、大和郡山市下三橋の佐保川に佇む栴檀樹の下の祠のノガミさんに御供を供えます。

お神酒、洗米、塩に御供モチを置いて、灯明に火を点しているのは代々ノガミさんを祀ってきたO家です。

農業を営むO氏は三代続けてノガミサン参りを継いできました。

祠の屋根に並べた花の咲かないショウブの葉とヨモギは前日の夕刻に並べておきます。

陽が昇るころには五本のチマキを手にした農家の方がやって来て、チマキを供えて手を合わせます。

毎年こうしてきたノガミさん参り。

10年前は4、5人だったといいます。

供えたチマキは若槻町に鎮座する神社付近で刈り取ってきたコモで前日に作ったそうです。

チマキは湯で湯がいて食べられるようにします。

砂糖と醤油を絡ませた出しに浸けて食べると美味いんやと仰る。

(H21. 6. 5 Kiss Digtal N撮影)