マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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井戸野の観音講

2009年08月14日 07時27分18秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市井戸野町の観音堂では、毎月17日に観音講の方が集まって本尊十一面観音菩薩像を拝み、西国三十三番ご詠歌を唱えられる。

平成9年のお堂修理には12、3人。平成18年の本尊像修理の際には8人。

その間、亡くなられた人や認知病のために講衆は一人減り二人減りと少なくなって、とうとう6人になった。

今日も都合で来られない人がおられ、集まったのは4人。

およそ八十歳以上となった講衆のなかには百二歳の方も参加されている。

毎月の営みに極楽成仏のおかげで苦しむことなく先立っていった。

残った私たちもこうして元気に参っていると話される。

厨子の扉を開けると本尊の立像が目に入る。

夏の野菜などを供え、燭台の灯明に火を点けて始まった。

はじめに隣接する常福寺の奥さまが般若心経を唱えてお勤めされる。

かって観音堂はもっと広い堂宇だった。

北側の隣接公民館となっている地も含まれるお堂だった。

西側には古い井戸もあったと話される講衆。

その古い井戸のことを詠んだとされるご詠歌を最後に唱和する観音講の営みは、代表者が前に座って鉦を叩いて行われる。

耳を澄ませば心に響く鉦の音。

堂内に女人が発する和讃はいつもなら23番で一服の休憩をするのだが、今日は番外まで一気に唱和した。

終わる頃にはお灯明の火も小さくなった。

番外西山上人霊場十三番は総本山光明寺のご詠歌に「いきてみを。はちすのうえに、やどきずは ねんぶつもうす、かいやなからん」』を。

番外西国十四番の『井戸野観音堂のご詠歌に「もうできて。くむやいどのの、ふるでらに ふかきめぐみに、ながれつきせし」』を唱えて、最後に『南無大慈大悲の観世音菩薩種々重罪五逆消滅自他平等即身成仏』を三遍唱和した。

井戸野の謡いは「詣で来て、汲むや井戸野の古寺に、深き恵みに流れ尽きせし」ということでしょうか。

「古寺」を詠まれた井戸野の観音堂を尋ねて訪れる人は年に数人をみかけるという。

(H21. 7.17 Kiss Digtal N撮影)