マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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中ノ川の行事

2010年11月23日 08時35分09秒 | 奈良市(東部)へ
中ノ川ではかつて虫送りをしていた。

それは戦前までしていたそうだ。

注目すべき行事にオコナイがあげられる。

毎年2月18日のことだ。

トーヤと5人衆が集まってくる。

午前中にモチを搗く。

けっこうな量だという。

それは平たいモチを6段に積んだ重ねモチ。

観音寺の祭壇にずらりと並べる。

ヒバの葉の上に乗せるらしい。

先を三つ又にした竹に挟んだごーさんのお札。

観音寺と墨書したお札は朱印を押した牛王宝印の書だ。

初祈祷だともいう行事は十一面観音悔過法要。

本尊にシキビと灯明をあげる。

導師は徳融寺のご住職。

導師が立ち上がるとトーヤは太鼓とホラ貝を鳴らす。

そのとき5人衆はカワヤナギの木を座敷に敷いた板を叩く。

これをランジョーと呼んでいる。

かつては子供たちが縁叩きもしていたそうだ。

終わったらごーさんが配られる。

余ったものはお堂に納めて翌年の見本にするのだと一本を見せていただいた。

このごーさんは苗代を作ったときに水口に挿していた。

花も飾った。季節がらモチツツジだったそうだ。

そうだというのも苗を作らなくなったので畑でもしようかと思い出された。

オコナイは長らく途絶えていた。

それは10年ほど前に復活したという。

8月21日には風の祈祷もされている。

百万遍数珠繰りをするというからお寺の行事なのであろう。

(H22.10.16 EOS40D撮影)