マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南田原のオショウライサン

2011年09月13日 08時37分59秒 | 奈良市(東部)へ
13日の夕方になったら十輪寺の住職がお念仏を唱えに来てくれるのでそれまでに先祖さんのタナを設えておくと話す南田原のSさん。

ご先祖さんは位牌になっている。

それを祭壇にずらりと並べておく。

祭壇にはゴザを敷いておくS家。

新仏の家ではそこに白い箱があるという。

竹で支柱を組んだヒバ(桧の葉)を覆ったヤカタに位牌やその白い箱が置かれるそうだ。

縁側とか雨がかからないノキに立てオガラのハシゴを掛ける。

九段ぐらいあるそうだ。

7日盆に参った親戚の家で祀ってあって拝んできたと話す。

かつては十輪寺の墓地の竹やぶに持っていったが、それは盆が終われば会所の焼却炉で焼くことになっている。

両脇にはお花が飾られている祭壇。

赤い花のミソハギ、黄色はオミナエシでキキョウなどこの時期に咲く花々である。

そこにはシキビもある。

並べた位牌の前にはハスの葉(足らなかったので一部はドロイモの葉)を敷いてそれぞれにカキの葉が置かれる。

そこにはミソハギの枝で作った箸を添えてノリを巻いたオニギリを供える。

位牌一体が複数戒名であればその個数にするという。

本来はキナコかアズキアンコを塗したボタモチにするのだがこの年は便宜上オニギリにされた。

中央に置かれたお皿にはモチがある。

それをオチツキモチと呼んでいる。

前日の夜に供えたオチツキモチは先祖さんがその夜の夜食に食べるのだという。

傍らには盆に置かれた野菜がある。

スイカ、キュウリ、ナスビ、トマト、カボチャなどは自宅で栽培したものだ。

その日の朝におましたお茶。

1時間おきに新しく入れ替える。

昼はごはんにダイコン葉の味噌和え、夜は茹でたソーメンを丸めて置く。

鉦を叩いて西国三十三番ご詠歌を唱えるなど、今日一日はこうして先祖さんのお世話をするのが勤めだという。



ネコが食べてしまうので玄関脇に供えられたガキンドさん。

カキの葉の上にはごはん。

切ったキュウリは線香立にしている。

ガキンドは迷える無縁仏だという。

13日の夕方は庭の門口に一対のタイマツを燃やして先祖さんを迎える。

竹に枯れたスギの葉を括りつけたタイマツ。

迎えタイマツと呼んでいる。

その火からもらった線香は祭壇に移す。

先祖さんを供養した15日の朝は再び線香に火を点けて鉦を叩いて送りだす。

(H23. 8.14 EOS40D撮影)