マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北野津越八幡さんの京の飯

2011年10月08日 06時54分51秒 | 山添村へ
大正二年までは京都石清水八幡宮から分霊を賜った八幡神社があった山添村北野の津越。

八幡宮の提灯をぶら下げた薬師堂に集まってきた。

ここは元のお社を祀っているお堂だ。

昼過ぎまでかかって年預が作った八幡祭の京の飯。

11軒の人たちがいただく膳を席に並べた。

「キョウのメシ」と呼ばれている丸と四角の二段のメシ盛り。

1軒につき十合と決まっていたがそれは昔のこと。

たらふく食べることに意味があったそうだ。

大メシ喰いは大正時代から昭和、平成へと移り変わり、いまや飽食の時代。

八幡さんの祭りやさかいといって数字は八合になったが、とてもじゃないが食べきれないとなって最近は五合になっていた。

それでも多いからもっと少なくするか、神さんだけの御供にするかと意見もでる。

キョウのメシの膳には大豆を挽いたクルミ(ビ)とヒジキのアラメを和えもの。

醤油、砂糖、味醂で味付けしたヒジキと豆とコンニャクの和えものの三品が膳に添えられる。

本来はメシにきな粉を塗されるのだが、味を好まない人が増えたことから袋入りになった。

岩清水八幡から授かった神符を添えて支度が調えば祓えの詞を述べて一同が拝礼する。

適度な時間が過ぎて宴もたけなわ。



長老が汁を出せと言われてからナスのすまし汁が運ばれる。

席に供えられたキョウのメシは御供(ごく)さんだと呼ばれ、箸をつけることもなく岩清水八幡から授かった神符を添えて風呂敷に包み持ち帰る。



焼き飯やお粥さんなどにして食卓を飾るという。

Fさんはメシを使ってグラタンにしたそうだ。

「エビなどの海鮮を入れるので高こうついたわ」と笑って話す。

大盛りのメシを食べるにはそれなり工夫がいるらしい。

(H23. 9.11 EOS40D撮影)