マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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別所町極楽寺の行事

2011年10月14日 07時53分10秒 | 奈良市(東部)へ
10月10日はコンピラサンの祭りで、翌日の11日は六社権現の祭りがある。

コモリをされたトーヤは祭りの前日までにモチを搗く。

数多くのモチで、コンピラサンは重ねモチ。

六社権現では4段重ねのコモチとなる。

参拝する各社やカイトノモリ(鎮座地は杣ノ川町で社は別所町)に奉るゴヘイも作ってモチを供えるそうだ。



その六社権現を祀る金刀比羅神社には極楽寺の名がある神宮寺がある。

本尊の木造阿弥陀如来坐像に地蔵菩薩立像と不動明王立像が安置されている。

昭和52年に県文化財に指定された仏像は大切にしなければとセキュリティで守られた蔵に納められている。

その仏像はたびたび開帳される。

月の数参りをされた日を含め、3月のお釈迦さん、4月のお大師さん、8月の二日酒、11月の十夜(堂年如の交替)となる。

かつては3月と11月は子供涅槃があった。

少子化に伴い子供が村からいなくなった。

が、お釈迦さんの掛け図は吊り下げられるとい、米の粉を挽いたものをイ(亥であろうか)の神さんに供えたそうだ。

気にかかるのは8月の二日酒(ふつかざけ)。

永禄年間に辰市の役で活躍した山田道安の弟の別所宗治の供養だそうで「殿さん供養」とも呼んでいる行事は太鼓と鉦を叩いてナンマイダを3回唱える。

「ナムアミダ」とドンドン、カンカンの連唱だそうだ。

墓地に向かってお念仏をするのだという二日酒。

昔はどっぷりと酒を飲んでいたことから「ケンカザケ」とも呼ばれていたそうだ。

「奉遷宮六社権現国家安全五穀成就村中祝 (右)弁財天女宮 大阿闍梨憲達 (左)金剛童子宮 神主儀右衛門 善右衛門」とある板書が立てられていた。

もう一枚には「奉修造宮六社権現宮国家安全五穀成就村中祝 (右)神野寺何某 (左)金剛童子宮 神主庄左衛門 長善右衛門」とある。

それには元治二年(1865年)四月六日と記されている。

かつては真言宗豊山派だった極楽寺。

僧侶名と神主名が連名で記されていることからその時代には神仏混合で造宮行事がされていたと思われる。

(H23. 9.16 EOS40D撮影)