マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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八条町堂山子守神社むかしよみや

2011年10月19日 06時42分39秒 | 大和郡山市へ
「むかしよみや」の祭礼名に惹きつけられて訪問したのが大和郡山市八条町堂山に鎮座する子守神社。

神宮寺と思われる華厳寺がある。

そこでは檀家総代らが集まって彼岸講法要を営んでいる。

それはともかく子守神社はその名のごとく、子供ができるよう願ったり、授かった子供がすくすくと育つよう子供を守ってくれる神さんだといい、この夜はそうした子供たちがお参りに来る日なのである。

神事が始まるころには村の人たちが寄進された御供で棚がいっぱいになった。

風呂敷に包んで大事そうに抱えた御供を供えていく。

特に決まりはないがほとんどの人が持ち込むお米は二升も。

収穫したレンコンやお酒もある。

本殿前に設えた提灯に灯りが点けられた。

お願いをされていた巫女さんが到着した。

そうして始まった「むかしよみや」の神事。祓えの儀、献饌、祝詞奏上などを経て本殿前に立った二人の巫女さん。



右手に鈴を左手に剣を持ってシャンシャンと振って舞う。

「このやおとめはー・・・かみのみまえにたつやはな・・・」と詞を唱えて神さんを呼び出す。

そして二本の剣を両手で持ち手前で互いに十字交差させながら舞って穢れを祓う。

まことに厳粛な巫女神楽の舞である。

村の安全を祈願しているようで、その作法を見守る宮三役も神妙な顔で見入っている。

そうして神事を終えたら拝殿で参拝者を待つ。

しばらくすると小さな子供をバギーに乗せた家族連れがやってきた。

巫女は鈴を持って神事と同じようにシャンシャンと振る。



そして剣に持ちかえて舞う。

穢れを祓う舞である。

舞は鈴と剣を持って左右にくるりと。

そうして頭を下げた参拝者に「祓えたまえ 家内安全 水難盗難 身体健勝 祓えたまえ清めたまえ」と鈴で祓って清めてもらった。

そうこうしているうちに次々とやってくる健やかに育った参拝者たち。

噂を聞きつけた隣町の長安寺町からもやってきた。

もう子供とはいえないような年代の高校生までも。

この夜の参拝者は7組もあった。



ありがたいことだと三役や宮司は話す。

それにしても「むかしよみや」とう名の祭りとはいったい何だろうか。

どのような漢字を充てるのか、長老たちも判らず仕舞いの「むかしよみや」と呼ばれる祭りは近隣の伊豆七条町や椎木町でもあると聞く。

(H23. 9.22 EOS40D撮影)