マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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的野八幡神社コモリ

2011年10月11日 06時40分39秒 | 山添村へ
山添村的野に鎮座する八幡神社。

併社に天満神社がある。

それは北方の山の上にあったそうで境内社とされている。

その社にある多目的集会所にやってきた村人たち。

数人は布団を担いできた。

この夜はここで泊りをするコモリの布団である。



コモリは宮籠りと呼ばれる行事で氏子総代の三人はドウゲ(堂下)と呼ばれる下働きの二人とともに寝泊りをする。

「コモリは氏神さんの祭りを迎えるにあたり予め身を清めておくのだ」と話す長老たち。

昨年までは翌日も泊っていたが簡略化されてこの夜だけになった。

当時の泊りは翌朝にアズキ粥を食べて仕事に出かけ、再び籠っていたという。

その食事はドウゲが作っていたそうだ。

お宮さんの細かい使いをする役目。

親が亡くなったあくる年にその役目にあたるドウゲ。

かつては正月二日に布目川で身体を清めていたそうだ。

いつしか川は汚れてしまって止めた。

正月明けだけに川の水はとても冷たい。

止めた理由はそこにもある。

川から上がったら身体はカッカしてほてったと話す長老。

寒いだけでなく「子供が見にくるからしやせんわ」とも・・・。

お宮さんにお神酒、塩、米を供えてお参りをされた村人たちは集会所に集まった。



そこでは用意されたパック詰め料理をいただく。

下げたお神酒も飲んでコモリの夜会食。

以前は各家の料理だった。

重箱に入れて食べていた。

「お酒を飲んでたら家にいねん(帰れん)からコモリで泊るんや」と話す。

的野辺りは真っ暗闇。所々に灯りが見える。

それはタイマツの火だった。

イノシシが田んぼを荒らすから地区の周りに火を点けて脅しているのだという。

(H23. 9.14 EOS40D撮影)