マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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天理下山田の虫送りの日

2014年12月27日 08時46分56秒 | 天理市へ
市の無形民俗文化財に指定されている天理市山田町の田の虫送り。

大字の下山田と上山田が毎年交互に一般観光客を受け入れている。

団体観光バスに乗って来るぐらいだから相当な人数になる。

虫送りの松明の火を入れて撮るカメラマンも多い。

この年の受け入れ村は下山田だ。

受付記帳を済ませて長老らにご挨拶をする。

なにかとお世話になっている大字の役員たちと立ち話。

本堂に立て掛けているのは一般観光客用の松明だ。

村の人は火点けの枯れた杉葉を括りつけているから違いがある。



境内にはとんど用の竹組も設えていた。

17時半ころともなれば村人らがやってきた。



下山田に初めて訪れたのは平成15年だ。

11年も経っているが雰囲気はまったく変わっていないように思える。

そういえば太鼓もあんばい見てなかったと思って拝見した。



特徴的な形に作られたオーコである。

自然木を細工して作ったオーコ。

太鼓がぴったり納まる形に独特の風情を感じた。

おそらく何年か前に大阪浪速区の太鼓正で張り替えた太鼓よりも古いのではないだろうか。

特殊なオーコで担ぐ太鼓。

この日に意見がでた。

軽トラで運びたいと当番が言いだしたそうだが、区長や役員は一蹴された。

村の総意が計れていない意見は受け入れることはできない。

結局のところの本番は担いでいったそうだ。

この日はNHK奈良放送局が夕方に放送する「ならナビ」の取材陣が来ていた。

本堂で中山田の蔵輪寺住職のお話しを収録していた。

前年の住職は下山田も上山田もでかけず、中山田での田の虫送りに法要をされオヒカリもあげていた。

テレビ取材の関係であるためか、この年は下山田で法要もされたようだ。

「ようだ」というのは拝見していないからだ。

急がなくてはならない上山田に急行する。

下山田の取材はここまでである。

後日の7月1日に放送されたNHK奈良放送局の「ならナビ」番組内の「古都祭時記」。

ほぼ毎週の火曜日に放映されている番組だ。

法要をされていた住職の姿や害虫駆除・供養の意味がある虫送りのことも伝えていた。

オヒカリの火を松明に移すところから行列の様相まできっちり取材されていた。

太鼓とともに打ち鳴らす平鉦があるのでは、と思っていたが放映を見る限り、下山田にはそれがなかった。

それにしても村の子どもたちは5人ぐらいであるが、参加した小学校の団体観光客もあって行列は溢れかえっていた。

これは本来の村の様相でないことを書き記しておく。

(H26. 6.16 EOS40D撮影)