マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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楢神社御田祭りの松苗

2014年12月03日 07時22分26秒 | 天理市へ
2月17日に行われる天理市楢町の楢神社の御田祭り

神主によって田んぼに見立てた斎場に松苗を植える所作がある。

籾撒きもする御田祭り。

今年は3人ものカメラマンが来たと話す神主さん。

一人はビデオ撮りで、二人はカメラだったそうだ。

撮影は神事の邪魔にならないようにと伝えておいたと話す。

余った松苗をさしあげたら喜んでいたと云う。

その人らはどうされたか・・・報告はないそうだ。

行事が終われば祈念された松苗は各戸に配られるが、楢町の専業農家はごく僅か。

苗代どきに配られた松苗を立てる家はほとんど見ることがないと話していた。

薬師法会を終えて東側の国道に抜けようとしたときの曲がり道。

そこには白い帆のような寒冷紗があった。

苗代田をされたようだと思って横目で見た。

そこにイロバナを立てていた。

もしやと思って車を降りて確かめてみれば、松苗もあるではないか。

その場に立っていた男性は、さきほど別れたばかりの檀家総代長だった。

お家は薬師堂の南側だと話していた。

まさにそのお家の方だったのだ。

苗代作りは4日に息子や孫も手伝ってモミオトシをした120枚の苗箱を苗床に下ろして並べたと話す。

松苗は芽吹くカワヤナギの枝とともに水引で括ったものだ。

御田祭りでたばった松苗は苗代に立てるまでは神棚に供えていたという。

こうして苗代ができあがれば、イロバナを添えて立てているのである。

今でもこうした豊作を願う在り方をしているのは他に見られないぐらいに減ったと云う檀家総代長家では、6月ともなれば実った苗を五反の田に田植えする。

楢町の専業農家はここだけのようで、偶然の発見出合いに感動したこの日であった。

(H26. 5. 8 EOS40D撮影)