マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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いつも三輪山が見守ってくれる麓で素麺作り

2018年11月10日 10時16分05秒 | 桜井市へ
三輪山を眺望しながら素麺作りをする場がある。

そう話してくれて自宅作業場を案内してくださったKさん。

ここから見るのが、一番だという。

季節それぞれの佇まいを見せてくれる三輪山が美しい稜線を描いてくれた。

Kさんとお会いしたのは、この年の7月10日のコンピラサンの後片付けをされていたときだった。

取材の流れでKさんが懇意になった二人の写真家の名を明かされた。

藤田浩氏塚原紘氏の二人はご対面したことはないが、とても有名な方だと認知している。

会えずまま鬼籍に入られたことも内々の人たちから聞いたことがある。

その二人がK家の生業である三輪素麺作り風景を撮りに来ていたという。

当時、よほど気にいったのであろう。



何度もやってきては屋外作業における素麺作りの光景を撮っていたそうだ。

どちらの写真家が撮られたのか聞きそびれたが、「三輪手延 三輪素麺」作りの光景をとらえた映像で「栗光製麺所」を紹介するパンフレットを見せてくださった。



K夫妻が天日で作業をしている姿の向こう側に三輪山が見え隠れする映像。

なんなら時季が来たら、普段なら屋内でしている作業を屋外でも・・・。

特別に一時的な作業として素麺延ばしをしている情景を撮ってもいいと誘ってくれた。

時季は12月か、正月明けの1月から3月のいずれかの日に伺いたいので、是非とも、とお願いした。

畑から戻ってきた奥さんにも了解をもらったが・・・。

屋外干しを評価しない方から注意どころか、指導するという発言があるとFBを通じて知ることになった。

なんということか、である。

その発言は風評被害を招きたくないというのが本音のようだが・・・例え一時的に、特別扱いするのもご法度という態度だけに、K家に御迷惑をかけるわけにはいかない。

残念なことだが、その発言を知って、遺しておきたい地域の風物詩をとらえる気持ちは萎えてしまった。



それにしても作業場の窓から望む三輪山がなんと美しいことか。

窓を開けたら開放的な気分になってより綺麗に見える。

愛宕さんをしていた下垣内のYさんが云っていたように、いつでもほんまに見守っているように思えた秀麗なお姿である。

その窓下の傍らに置いてあった前期作業に残った素麺。



箕にも、粗い網にも盛った白い糸が美しい。

乾燥しきった真っ白な素麺は十分に食べられるという。

半年間も作業場で生きていた素麺である。

暖簾が下がっている作業場は稼動していなくとも暑い。

夏場は暑いに決まっているということだ。

(H29. 8.24 EOS40D撮影)
(H30. 9.29 SB932SH撮影)