米大統領選挙は、初の女性大統領か、初の黒人出身大統領か、全世界の注目を集めている。そんな中で、野党民主党のヒラリー・クリントンが、支持者の質問に涙を浮かべたと報道された。
そのニュースを聞いて、一層立場が後退したと私は思った。そのように思った人も多かったようだ。今日(14日)の朝、NHKラジオでも持田解説委員がそのようなことを言っていた。
ところがニューハンプシャー州ではクリントンが逆転勝利を果たした。これはあの涙が女性票を集めたらしい。今までの常識では、大統領は米軍を掌握し戦争指揮まで決断しなければならない。そういう過酷な立場に、涙は不要だと思われてきた。過去には、涙を見せたために大統領選から撤退を余儀なくされた人もいたらしい。
クリントンの場合は、どう解釈すればいいのだろう。私なりに推論すれば、まず時代が変わったのだろう。かつての価値観はもうない。
クリントンも一人の女であり、妻であり、母である。やや冷たさを感じるクリントンが、思わず見せた涙は、大統領を目指すという雲の上の人から、お隣のケイティおばさんと同じじゃないかという共感を得られたのだろう。
戦場へ視察に行って戦死者や傷病兵を見て涙を流す、ごく自然な人間的な感情の吐露で、病院のベッドで療養する兵士も、ママが来てくれたと思うのではないだろうか。とまあ、そのようなことを考えたのであります。
今のところ流れは民主党のようで、このままだと初がつく米大統領になる確率が高い。しかし、選挙は水もの、経済の後退局面にさしかかり有効な政策立案がなされるかが、これからの焦点になりそうだ。