年が改まっても、依然としてサブプライムローン問題が世界経済を泥沼に引き込もうとしているようで油断がならない。世界の株式市場から膨大な投機資金が原油や金に流れ、ますます混迷を深めている。
米大統領選にもその影を落として、焦点がイラク問題から景気対策に移行している。危機感を募らせたブッシュ大統領も減税を柱とした15兆円を超える景気浮揚策の骨子を発表した。しかし、NY株式市場の反応はいまのところ、具体策が乏しく不透明だとして値を下げた。
それほど大きな問題のサブプライムローンだが、その対象はどんな住宅だろうか。ニュース映像で見る限り、一箇所にちまちまと押し込められた長屋のような住宅ではなかった。道路からは広々としたドライブウェイがあって、その奥に玄関ドアがある。隣家とはくっつくような間隔ではない。低所得者向けというがイメージが合わない。むしろイメージするのは、アメリカ映画でよく見る平均的な家族の住宅だ。
NIKKEI NETのビジネス・コラム(http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20070910c3000c3&p=1)でも触れてあるが、サブプライムローン対象の住宅は、日本では豪邸だということ。ならば日本人はいまだにウサギ小屋に住んでいて、これからも住み続けるのだろう。
しかし、これでいいのだろうか。日本人の住感覚は、江戸時代から一向に変わっていないとしか思えない。幕府が江戸に置かれてから、人口が増えたため長屋という住居が建てられた。その感覚がいまだ続いているように思う。
東京都庁の裏手あたりも車が一台やっと通れるという路地が幾つもある。もし大地震や大火事に見舞われたらと思うとぞっとする。選挙に直接影響しないからか、政治も一向に目を向けない。ゆったりとした住環境を目指すべきだ。
日本人の住宅百年の計(百年程度では無理かもしれない)として、後世の人に喜んでもらいたいと思う。サブプライムローン問題でこんなことを考えた。
もちろん株価の行方は気になるところで、毎日インターネットで株価を追っている。それこそ6畳の小さな空間から……