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映画「新しい人生のはじめかた Last chance Harvey ’08」劇場公開2010年2月

2010-11-10 11:40:56 | 映画
 
              
 文句なしにいい映画。同年輩かそれ以上又はそれに近い人が観れば、場面が霞んでしまうほど涙腺が緩む。ステキな恋の物語。

 ハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)は、かつてはジャズ・ピアニストを目指したというテレビCM作曲家。若手作曲家も台頭してきてハーヴェイの立場も危うい。そんな中、娘の結婚式のためにロンドンへ向かう。
 親族が集う前夜のディナー。別れた妻の夫や旧友に再会。ぎこちない握手。ディナーの席のやるせない違和感。
 父親と言っても長い別離の生活は、自分の娘にハグを促がすほどの空気が漂う。しかも元妻ジーンは昔のことを蒸し返し、冷たい視線を送ってくる。
 娘スーザンからは、ヴァージンロードは継父と歩くと告げられ「結婚式にはでるけど、後のパーティには出ない。ニューヨークに大事な仕事があるから」と言う。

 渋滞に巻き込まれ飛行機に乗り遅れ、翌日の便しかない。おまけに仕事までも失う。うんざりしながら空港のバーに入っていった。そこで出会ったのがケイト(エマ・トンプソン)だった。何気ないが洒落たやり取りで、二人の心が開かれていく。

 日本人が言うとキザに思われそうなのがこんなセリフ。ケイトが携帯電話にでないのを見て、ハーヴェイは言う。「僕と話したくて? そうなら笑顔を見せて」ケイトはニヤニヤする。キザでもないか! 一度使ってみたい気がする。

 二人は急速に接近して、ハーヴェイの娘のパーティに押しかける。そこで、「突然で悪いが、司会者はさっき‘花嫁の父親’と言った」と継父の挨拶を押しのけてスピーチをする。
 観る者は今までの状況が分かっているので感涙ものだった。「皆さん、ジーンと私は離婚してあることを学びました。それは離婚で子供が一番苦しむと言うことです」に始まり娘を褒め、娘の相手を歓迎し継父に乾杯の音頭を譲り、ケイトにピアノの曲を聞かせてロマンティクなひと時を過ごす。

 まさに大人、こういう風になりたいと思わせるシーンが続く。おそらくどの国の人も誰でも言う言葉「私たち、うまくいくと思う?」とケイト。「まるで見当がつかない。でも頑張る。約束するよ」とハーヴェイ。

「絶対うまくいくよ」と訳知り顔で言わないところが、人生経験を積んだ人間の言葉だ。そして二人は散歩をする。よかったあなとしみじみと思わせて映画は終る。それにしても、ダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンのアカデミー賞受賞俳優のまったく自然な演技には惹き付けられてしまった。

監督
ジョエル・ホプキンズ1970年9月ロンドン生まれ。この若い監督が二大俳優といい仕事をしたなと思わせる程の出来。

キャスト
ダスティン・ホフマン1937年8月ロサンゼルス生まれ。幼い頃はピアニストを目指した。大学でも音楽科を専攻したが。俳優に憧れアクター・スタジオで学ぶ。’67「卒業}でアカデミー主演男優賞にノミネート。’79「クレイマー・クレイマー」でアカデミー主演男優賞を受賞。’88「レインマン」でも受賞。
エマ・トンプソン1959年4月ロンドン生まれ。ケンブリッジ大卒。’92「パワーズ・エンド」でアカデミー主演女優賞を受賞。
          
          
          
コメント
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