この映画が劇場公開されていないのは、俳優のネームヴァリューに不足するからか? マイケル・ダグラス以外名前が通っていないせいかもしれない。私は法廷劇が好きでよく観るけれど、検事と弁護士の駆け引きが大好きだ。出来の悪いアクション映画よりもはるかに面白い。
大まかなストーリーは、知事選にも立候補するほどの大物検事ハンター(マイケル・ダグラス)の17件連続の勝訴に捏造の疑いがあるというテレビ・リポーターC・J・ニコラス(ジェシー・メトカーフ)は、友人とある事件後を細工して自ら被告人席に坐る。
ここからが実に面白い展開になっていく。そして最後の最後、強烈などんでん返しが待っていた。これ以上言うとネタバレもいいところ。
ちょっと気になるのは、最後にそのからくりに気付く検事補エラ(アンバー・タンブリン)の唐突感が拭えない。巧妙な伏線がはってあったのだろうか? 思い出せない。それに、検事補エラの服装が、胸の谷間を見せ付けるようなもので仕事中としてはそぐわない気がした。それとも一般的な服装なのだろうか? アメリカでは……そんな小さなことを考えなければ楽しめる作品だった。
監督
ピーター・ハイアムズ1943年7月ニューヨーク生まれ。CBSでテレビ・ムービーを手がけたあと、’78「カプリコン」が高く評価された。職人監督の一人。祖父は大興行主のソル・ヒューロック。父はブロードウェイの評論家。
キャスト
マイケル・ダグラス1944年9月ニュージャージー州生まれ。
’87「ウォール街」でアカデミー主演男優賞受賞。
アンバー・タンブリン1983年5月サンタモニカ生まれ。TVシリーズ’95~’01「General Hospital」のエミー役で注目される。
ジェシー・メトカーフ1978年12月コネチカット州生まれ。モデルを経て「デスパレードな妻たち」で注目される。