今や注目の「失敗学」。著者は日立製作所のエンジニア出身の東大大学院教授。「失敗学」は今や「東電」と「東日本大震災」で時の学問だ。続編もある。<o:p></o:p>
内容は、東大の事例が大いに笑える。こんなに象牙の塔の研究室や研究所がリスクの塊だとは知らなかった。<o:p></o:p>
特に知見として共感したのが「ベテランが事故を起こす」ということだ・。いわゆる「KKD(経験、勘、度胸)」はまさしく真実だ。めんどくさい、自分の裁量、経験則(たまたまかもだった可能性もあるのに)が積み重なり「大事故」につながる。企業文化の「成功体験」も同じ様なものだろう。要は、「もし~が」と見直す姿勢だ。<o:p></o:p>
見直しの必要性は今回の福島1の原発事故にもある。原因は設計のミスで非常用の電源を地下に置いたことだ。(福島2では見直されている)当たり前だが、建築設計の上で海岸沿いでは考えられない。 神戸では震災以降、電気室の配置(当たり前だが電気製品は錆や接点、染み込みもあり塩水に特に弱い。電気製品の保証付きでも「海水は別」が多いはずだ)は上層階が当たり前となっている。いわんや、冷やさないと問題の起こる原発でこのような設計はありえないが、放置されたとは。<o:p></o:p>
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お薦めできる本だ。語り口がなんとも親しみやすい。<o:p></o:p>
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